ある日の体育の授業のこと、先生が、
「今日は、鉄棒でさか上がりをやります。」
と言いました。夢は、さか上がりができません。
「え~っ、やだなぁ」
と、不安になりました。すると、校庭の向こうに見える校舎が光り始めました。
”あっ”
と思い、光の方を見ると、まもなく声が聞こえてきました。
「大丈夫よ、できなくたって。夢ちゃんは、まだ一年生でしょ。これから練習して
できるようになればいいわ。」
夢の想いを汲み取ったかのような四小の声でした。
「本当?まだ、できなくてもいい?」
「ええ。」
「よかった。じゃあ、これからいっぱい練習して、できるようにするね。」
「そうね。がんばって。」
「うん。ありがとう、四小さん。」
夢が笑顔で四小にお礼を言うと、光は安心したようにスーッと消えていきました。