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年初に買った、とっておきアメコミを読まずにいたが、遂に読むものがなくなり、一気に読んだ。それがNEW MUTANTS Annual 2号。
筋書をChris Claremont、画をAlan Davisが担当している。出版されたのは1986年。このコンビが組んで出されたスーパーヒーローチームEXCALIBURの創刊の2年前。今回のこのAnnualにはEXCALIBURのメンバーCAPTAIN BRITAIN ことBrian Braddockも登場。
粗筋から。Brianの妹BetsyがMojoに攫われた。Mojoは彼女を利用して、NEW MUTANTSのメンバーのほぼ全員を操りMojoの故郷への凱旋を企む。Betsyの力から逃れられたのは、CYPHER、WARLOCK、子供にされたMAGMAとBrianだけだ。二手に別れ、残りのNEW MUTANTSの注意を引く役が子供、そして、CYPHER達は洗脳状態にあるBetsyと対峙することに。
Mojo関連の話はそんなに好きではないのだが、この話は面白かった。Mojoはテレビショーを使ってSUNSPOTやWOLFSBANEの心を虜にしてしまっている。誰がテレビに影響されやすいかということを作者のClaremontが完全にわかっている。当然か。彼が作ったキャラだからね。
今回の主役CYPHERの疎外感や、視力を失ったBetsyや、彼女の子供の頃好きだった観覧車の話を伏線に使いつつ、大団円に持ち込むClaremontの話の持って行き方も凄い。そして、Davisの画はEXCALIBURで花開く前の彼でも十分な画力。洗脳されたBetsyの脳の中の世界をシュルレアリスム風に描いているところが良い。
いくつか好きな台詞を紹介。子供になって逞しさを失ったBrianに対するCYPHERの台詞。”You can’t be brave. You can’t be a hero ‘cause you are a kid?”とBrianを鼓舞する。子供状態のMagmaに対し自己紹介する時、Brianは、”A knight in borrowed armor fighting with borrowed courage” と言っている。勇気はNEW MUTANTSの最弱メンバーCYPHERから借りたものだというところがこの話のミソ。
もう一つ、Mojoからもらった眼の秘密を兄であるBrianに話さなかった終わり方は好きだな。この話この後の話に活かされたんだっけ?
いつの間にかBetsyがX-MENのメンバーになったが、この話が切っ鰍ッか。因みに、この話では彼女はPSYLOCKEと名乗っていない。ましてや、東洋人のKwannon の身体と入れ替わっていない。