同性婚についての首相秘書官の失言から、LGBTQ+の人々に対する理解を推進する法案が、国会に出る動きです。
でも実はこれに類する法案が、一昨年の2021年、いったん与野党の間で合意が出来て…
(自民党内のまとめ役が、なんとあの、元極右?の稲田朋美氏でした)
国会に提出される寸前になって、自民党の内部から強烈な反対が出て、流れてしまったのを覚えていらっしゃる方…
どれぐらいいらっしゃるでしょうか。
その時の反対の理由が「いかなる差別も許さない」という文言に、問題があるということでした。
ぶっちゃけて言うと、「いかなる差別も」と言ってしまうと、どんな差別もできなくなり…
それは「国民に分断を生む」ということだったんです。
今回、自民党が作ろうとしているLGBT+に関する法案でも、差別反対に関する表現は…
「不当な」差別はしてはならない、というようなものになりそうな感じです。
これは、先に書いた「いかなる差別も」……という文言を嫌う人たちが、代替案として出していたものと同じ。
要するに、差別には「不当な」差別と「妥当な」差別がある、ということになりますよね。
「妥当な」差別ができなくなったら、社会が分断されると。公的な秩序が保てなくなると。
この社会は、差別が存在し続けることで、秩序を保っているという認識なんですね、つまり。
差別と区別は違うと、下手な屁理屈を言う保守派のひともいますけど…
なら「いかなる差別も許されない」でいいじゃないですか。なんでそこまで激しくあらがうんですかね。
簡単にいってしまえば…
差別に反対する者は、社会の分断者であり、公の秩序の破壊者であると。
自民党の改憲草案に従うと、こういう人は「人権が認められない」ということになります。
どんな差別もダメですよ!と言ったら「公」の機関から、何をされるかわからないという世の中。
自由主義者が逮捕されたり、拷問されたりした、旧大日本帝国憲法下と同じ状況ですね。
誰かが誰かを差別する。その人も、別の誰かを差別する…
誰かが誰かに加害する。その人も、別の誰かに加害する…
そうやって、社会のピラミッド状の構造が出来上がっている。
差別と加害とハラスメントの壮大な序列、積み上げによって、社会が出来上がっている。
その最小単位は、まさに「家庭」なんでしょうけど。
「家長」を頂点とした、広い意味での、家庭内のパワハラの構造。それを積み上げて行っての、国家。
そういう世の中を目指す、というか、そういう社会に戻す、ということを狙っているんですね。
自民党右派、と言われる人たちは。
それなら、いろんな差別が「なくなったら困る」のも当然です。
何度も言いますけど、そういう国家体制、ありますよ。戦前の日本以外にも。
現代だって、ロシアや中国や、インドなど…「新興国」のかなり多くは、そうです。
それでも、少なくとも「経済成長」は可能です。
というか、むしろそういう「新興国」の方が、西側諸国よりも成長のスピードは速いです。
そういう風になりたいのなら、これも何度でも言いますが…
「西側先進国」の一員だなどと、ウソで塗り固めた諸国との付き合い方をするのはやめて…
中ロ北朝鮮などの「権威主義」「全体主義」国家の側に着いた方が、まともな道ですよ。
矛盾がない。
日本がこの20年、30年と発展が遅れて、西側諸国の中でさえ置いてけぼりになっているのは…
そうした矛盾、おためごかしのせいで、人材を有効に生かせない社会になっているからだと思います。
西側諸国と同じ価値観の側に着くというのなら、社会的、人的な資本を、有効に生かさないと発展しない。
それには、きちんと「自由主義」をやって、個人の自由と人権を保障し…
差別によって不当に社会の周辺に押し込められ、力を発揮できないでいる人に、力を出してもらわないと。
女性、こども、性的少数者…
などだけではないです。
学歴差別、出自による差別、出生地による差別、ありとあらゆる差別が、社会の発展を妨げる要因になります。
自民党右派のような考え方をしている人たちが、社会の中心的なところにいる限り、日本に未来はないですよ。
80年代を懐かしがったって、あんな時代は、文字通り「二度と来ない」ですし…
そんなに遠くない将来、この社会は崩壊して、どこか米国以外の国の属国みたいな立場になる可能性が高いです。
それでも、滅びても良いから、戦前のような社会秩序に戻したいというのなら、もう何をかいわんや、ですが。
というわけで、今日はこちらの動画を。
30分近くある動画で、しゃべっている人の話し方は、立て板に水とまではいきませんが…
すごく的を射たことを言っているので、お時間のあるときにぜひ聞いてみてください。