柔軟剤や制汗剤の香りが原因で頭痛や吐き気を生じる「香害(こうがい)」の患者に神経疼痛(とうつう)の治療薬を処方したところ、約3分の2に症状の改善がみられたことが11日、分かった。発症の原因が明らかになっていなかったが、神経障害などの原因疾患で引き起こされる症状の一つとみられる。専門医は「治療法がないとされてきたが、原因疾患に対処することで症状を改善できる」としている。
香害は化学物質過敏症(CS)の一種で、ある日を境に、柔軟剤などの匂いで頭痛などの症状が出るようになる。これまで、匂いを避けて生活する以外に有効な治療法がないとされ、患者の社会生活に大きな影を落としてきた。
発症のメカニズムは明らかになっておらず、堺市北区で「香害外来」を開設する典子エンジェルクリニックの舩越典子院長や、東京女子医大の医師らが症例を研究。平成28年以降に香害を訴えた患者111人の経過を調べたところ、神経疼痛の治療薬を投与した患者の約3分の2に症状の改善がみられたことが分かった。
舩越氏によると、香害患者の約8割にビタミンDや亜鉛の欠乏がみられ、神経疼痛のほか栄養欠乏や慢性上咽頭炎、統合失調症などと併発する例があるという。
舩越氏は「香害はそれ自体が病気というより、他の病気によってもたらされる症状の一つと捉えるべきだ」と話し、症例研究を続けて治療法の確立につなげたいとしている。
× ×
医療機関に勤める40代の女性は平成29年、初めて香害の症状を自覚した。以前から柔軟剤の香りが苦手だったが、勤務先の患者が持っていた香袋で頭痛や吐き気に襲われた。それ以降、外出に分厚いマスクが欠かせなくなったという。周囲の香りで体調を崩すのが怖くなり、外食もままならなくなった。食事療法やサプリメントなどを試したが効果はない。専門医に「治すことはできない」といわれ、絶望したという。
令和4年に典子エンジェルクリニックを受診。舩越典子院長は女性の既往歴に着目した。女性は過去に何度も交通事故を経験し、神経を損傷していた。舩越氏が「神経にダメージが生じた結果、香りに過敏になっている」とみて神経疼痛を和らげる治療薬「タリージェ」を処方したところ、数週間で症状が緩和したという。
女性は服薬を継続し、発症以前と同じような生活を送っている。「今では友人とカフェにも行ける」と笑顔を見せた。(花輪理徳)
”知られざる”とは少し、オーバーでしょう。柔軟剤やタバコの匂いの「香害」は一時期大いに騒がれました。それが、”神経疼痛を和らげる治療薬「タリージェ」”で”数週間で症状が緩和”ですと?
「タリージェ」と言えば、将に私も脊椎間狭窄症からくる、”足の痺れ”の緩和に、もうかなり前から服用していますが、私の痺れには一向に効きません。効かない残りの1/3なのでしょう。が、現在のところ、その後継の薬も無いそうなので、やむなく、気休め的に服用しています。もちろん、柔軟剤やシャンプーの匂い緩和にも私には効きません。
#低周波音被害者#はまぎれもなく、様々な機器から発せられる低周波音、超低周波音により「神経にダメージが生じた結果、”音”に過敏になっている」のです。
是非とも「知られざる公害”低周波音症候群”」についても研究、取材して下さるよう切にお願いするところです。