川柳しま専科 令和元年(2019) 五月投稿句
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昭和発平成経由令和行き
立ち葵洗濯物を突き抜ける
V(ヴィー)とB(ビー)日本英語の優れもの
5/2
二億年後の地球の恨めしさ
醜さが身に沁むみどり皐月入り
呆け防止無料の塾の無頼漢
5/3
寄り添うもこの方ならばと目を細め
保線夫のチームプレイが脳を撃ち
父の背を彼も人の子しかと見た
5/4
電車内日中韓は先を行く
孵らぬを知るか一匹金魚産み
身の程を知らぬ芍薬花の量
5/5
何処でだか赤子泣いてる子どもの日
今日如何雷三日真なる
ホリエモンキムも背後でほくそ笑む
5/6
十連休寄港地持たぬ漂流船
東風吹いてゆらりゆらりの矢車草
居心地を優先席に尋ねられ
5/7
誉められて誉めて世の中よく廻り
視聴率股間すり抜け実と成らず
ガンダムと百年時代生きてみる
5/8
初商い冷水浴びて気もそぞろ
訳あって秋刀魚が春の季語となり
曼荼羅に蠢く衆人迷い人
5/9
半蔵門くぐって国璽初仕事
究極のジグゾーパズル世界地図
スパイスはあれだこれだと現世の味
5/10
飛翔体渡りの蝶じゃあるまいし
運転中前を見ずして何処を視る
遠足にティラノサウルス馳せ参じ
5/11
貧乏をしても学士は門を開け
予備軍はウインクせずに角曲がり
この季節青葉若葉に葉音まで
5/12
十戒を八戒にする新宗主
視聴率壁の穴から漏れている
平伏してまるくシャクヤク皐月中
5/13
判官も時の流れに棹を差し
酢豚まで男の料理手が届き
スズランや元カニ族は徘徊中
5/14
ソラマメも一度食べれば旬は済み
友来るこごみの土産里談議
尖がってグラジオラスは世を渡る
5/15
名捕手を手玉に取った乱れ球
焼け跡派ギブミーチョコとケセラセラ
エベレスト珊瑚の宴夢を見る
5/16
関税の冷や水かけ合う水掛け論
戦争を知らぬとはいえ許せません
この季節隣のバラは赤く見え
5/17
プーチンも耳を疑う戦好き
他愛ない最古の石のお呪い
くさや食み周りの者に噛みつかれ
5/18
スルガ殿駿河の国の名を汚し
世の常は子の不始末は親が受け
朝ドラよ紙芝居たれ飴寄越せ
5/19
一夜城さもありなんと風祭
次郎長もスルガの不始末手に負えず
あるあるは海の向こうの埼玉県
5/20
脳のシワ一筋増やし三千円
靴脱げば靴下の穴他人に見え
大輪のバラ衰えも呆気なく
5/21
椎の木が香りばら撒く山の端
A Iに駆逐されそうヘボ川柳
世渡りはへっぴり腰で竹刀差し
5/22
お喋りはメニューにないがフィットネス
箱根路を知恵と温泉酒で越え
しまったと思うが晩もまたカレー
5/23
桜田門変に惑わぬ水準点
顔認証代返頼めぬヘボ講義
イクメンに無理はするなと助言する
5/24
わたしでも壱千円ならばできるかも
深川やあっさり作るアサリ飯
空が増え人もおおらか米どころ
5/25
ファーウエイ世界制覇の道遠く
アンデスに地質学者のシャングリラ
ナンセンス元総務相吐くポスト
5/26
真夏日も中国生まれの皐月かな
歌舞伎町後ろめたさの今昔
ポロ一枚洒落てはみたが頼りなく
5/27
商談もスコア次第のトランプ流
トランプを高安関は睨んだか
いつの間に食べながら行く食べ歩き
5/28
接待も世界のトップに通じぬ世
夏早ければものの道理よ秋早し
ハズキ見て老眼鏡が壊れだし
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目の前に孤老装う木偶坊
ジジババと呼んで呼ばれて華が咲く
カタカナで不正の始末するつもり
5/30
怖い人オレのキックを受けてみよ
プラゴミや海溝の底業火なり
花咲かせ虫ども人も誘き寄せ
5/31
北方で暴れて書かせる診断書
クラス会年々縮まるその間合い
この歳で賞味期限を持て余し
川柳しま専科 2019