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日本歴史紀行

現代語訳 徳川実紀 20 元信君、岡崎に帰る



松平竹千代 像

静岡駅前



元信君 岡崎に帰る



元服式を終えた竹千代君は、後日 御礼言上のために今川館に義元を訪ねた。


言上の席で竹千代君は、私は十五になりましたが、今だに先祖の墓前に詣でていません。

出来ることなら、一度 故郷に帰って祖先の墓を掃き清め、亡き父の法事を営み、年老いた家老の者たちとも対面したい。とおっしゃられた。


義元も、竹千代君のご意志を尊重すべきであるとして、しばらくの間として時間を差し上げるとなったので、竹千代君の喜びは大変なものであった。


わずかな供を連れて急いで三河国へお発ちになり、ご先祖の墓前に詣でて、追善供養を営まれた。


この時 岡崎には今川の城代 山田新右衛門という者が本丸に住んでいた。


竹千代君は、~私はまだ年少の身である。山田はこのまま本丸にいるべきだ。~とおっしゃり、ご本人は二の丸に入られた。


後日、この事を伝え聞いた義元は、~さては思慮分別のある少年である。~と感心したという。

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