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日本歴史紀行

現代語訳 徳川実紀 26  元信君、幕府に良馬 嵐鹿毛を献ず。



神馬 像

愛知県岡崎市 康生町 岡崎公園内 龍城神社



元信君、幕府に良馬 嵐鹿毛を献ず。


弘治二年 (一五五六年)、元信君が良馬を献上した。

並ぶ者がない俊足であり、名を嵐鹿毛という。

この馬を元信君が誓願寺の元信君住僧 泰翁を通じて室町将軍家に献上された。

足利義輝 様の喜びはひとしおであり、元信君に書状と短刀を返礼に贈られた。

これこそ 徳川家から幕府へ贈答をした始まりである。


考えるに、その頃 京都の室町将軍家は足の速い馬をお求めになっており、織田家へもお命じになった。

しかし、織田家では しかるべき馬を差し上げることは出来ないと言っている旨、元信君がお聞きになり、元三河国 大林寺の住僧 泰翁は、今は京都 誓願寺の住職で、常に室町将軍家へも懇意に仕えている旨をお聞きになっていたようで、元信君は泰翁に馬を献上させた。

その時、将軍家より下された書状は、今も秘府(貴重品を所蔵する倉)に伝存している。



将軍家 足利義輝 公

この度、早道馬を、私が内々に所望している旨を申したところ、松平蔵人佐元信に対して、申し遣わされ、馬一頭(嵐鹿毛)を私に差し上げたのは、嬉しい限りである。

特に見事な働きに、私は 目を驚かせている。

尾張の織田上総介信長方へも所望したが、今まで何も到来しなかったところに、このような献上は特に神妙である。

私の気持ちを元信に必ず申し伝えよ。

なお、詳しいことは、松阿が申す。

三月二十八日 誓願寺 泰翁



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