兄弟犬タロ、ジロの像
名古屋市港区ガーデン埠頭
1959年 昭和34年1月14日
南極大陸で1年間置き去りにされた第一次南極観測隊の樺太犬タロとジロの生存が確認される。
タロ ジロの樺太犬の兄弟が他の犬達と共に置き去りにされ、1年後 唯一生き残っていたことが北村泰一隊員により確認されました。
北村隊員はタロ、ジロと
感動の対面を果たしたものの…
犬たちと厳しい南極での生活を共にしていた昭和基地は一年もの暴風雪に晒されて変わり果て、かつて犬たちを繋いでいた場所へ向かいました。
そこに積もった雪を取り除くと、
アカ、クロ、ゴロ、ポチ、モク、紋別のクマ
首輪から脱出出来なかった7頭の犬が横たわったまま見つかりました。
先導犬シロ
リーダー犬のリキ、
タロ、ジロの父犬の風連のクマ、
先導犬シロ、
アンコ、
ジャック、
デリー、
の6頭は首輪を抜けたまま行方不明でした。
昭和34年3月の彼岸
北村隊員は亡き犬を彼らが一生懸命引っ張っていたソリに乗せ、昭和基地と南極大陸の間にあるオングル海峡まで引っ張り、押し潰されそうな魂で 一頭ずつ水葬しました。
タロ、ジロ生存のニュースは日本中に感動を与えました。
第三次越冬隊が南極に留まり、
タロ、ジロはしばらく南極で観測隊と過ごします。
タロとジロがすっかり南極の環境に慣れてしまっていること、第四次隊の犬達と生活させようという思いからでした。
しかし、翌年の昭和35年7月9日、ジロは病気になり、第四次越冬中に5歳で死に、タロは第一次越冬隊唯一の生き残りとして第四次越冬隊と共に昭和36年5月4日に日本に帰国します。
タロはその後、生まれ故郷の北海道へ戻り、札幌市の北海道大学植物園に引き取られ、穏やかな老後を過ごします。
タロが札幌で晩年を過ごしている昭和43年、昭和基地近くで一頭の犬が遺体で見つかりました。
リキ
白い短毛の特徴から、リーダー犬のリキと推定されました。
この事実により、北村隊員は、かつて越冬中にまだ幼かったタロ、ジロの兄弟犬の世話をよくしていたリキの存在がタロ、ジロの生存に深く繋がっていたと考えました。
タロ(剥製)
そしてタロは帰国から9年後の昭和45年8月11日、老衰で14歳7ヶ月に仲間たちのもとへ旅立ちました。
人間で例えると80〜90歳の長寿でした。