DVD で「攻殻機動隊 新劇場版」を観ました。2015年6月公開ということですから割と最近(それでも2年前)ですね。
最近ということなら今は実写ハリウッド版の攻殻機動隊「ゴースト・イン・ザ・シェル」が公開されている最中ですね。先日観た「タロットカード殺人事件」に出ていたスカーレット・ヨハンソンが主演だそうです。ちょっと期待してます。
そんなわけで今が旬の攻殻機動隊ですが、そのアニメの方の新劇場版はストーリーはかなり難解でほとんど理解できませんでした。何度か観ればわかるかなとは思ったのですが、暇がなくてレンタルの期限が来てしまったので1度観ただけで返してしまいました。
絵の雰囲気はテレビアニメのような感じでいまいち深みが感じられませんでした。CGで描かれた絵は精密に描きこまれているようでいて、かえって軽く感じてしまうんですよね。
攻殻機動隊というアニメのイメージは今から27年前に公開された最初の劇場版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」やその続編としての「イノセンス」(2004年3月公開)によって私の脳内に定着しているのですが、アニメ映画の映像としては最高峰だと感じています。
ところが、それらの押井守監督作品に比べると新劇場版の方はいまいちなのです。最新のCG技術に頼りすぎて手書きの生々しい表現力の方がおろそかになってるような感じです。
CGアニメが悪いとは言わないし、27年前の最初の劇場版にもすでにCGは使われていたわけですが、使い方次第では映像作品としての良さを殺してしまいかねません。精密・緻密に描き切ることが映像の美しさにつながるとは限らないのです。むしろ省略やボカシといった表現で描かれない部分にこそ人は美しさを感じるのかもしれません。温かみのある映像というのはそういうものなのでしょう。
人は映像を目で見ているだけではなく、自分の脳内の記憶に重ね合わせながら見ていると言います。その記憶の琴線に触れるものがあるからこそ感動するのでしょうね。CGで描き込まれた精緻で圧倒的な情報量の映像は人の想像や記憶の入り込む余地を与えず、結果的に冷たい印象を与えるだけとなってしまうのかもしれません。それでは感動できませんよね。
新劇場版の映像があまりにも残念だったので、27年前の映画をもう一度観たくなりました。あの時の映像はもっとすごかったはずだと、確かめてみたくなったのです。
それでさっそく「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の DVD を借りてきて観ました。
うーん……やっぱりいい! 27年前の映像は確かに多少古臭い感じもしましたが、今時のアニメにはない圧倒的な迫力がありました。テレビアニメではなく、まさに映画とはこういうものだと思い出させてくれます。すばらしいですね。
それが公開された1995年当時、私はちょうどアメリカに留学中で、街中で広告の看板だけはよく見かけていたような覚えがあります。実際に劇場に足を運んで観ることはなく、帰国した後でビデオか何かで観たのだと思います。
その当時はまだインターネットすら普及していなかった時代。パソコンの性能だって大規模なCGを扱うには不十分だったはずです。そんな時代に、およそ30年後の今よりもさらに先の時代を生身の人間の手で描き切った攻殻機動隊というアニメは本当にすごいですね。その近未来の世界の、機械と人間の境界線というようなテーマも含め、いろんな意味で。
技術が進歩すればするほど、人間力は退化してしまうのかと感じさせられます。
最近ということなら今は実写ハリウッド版の攻殻機動隊「ゴースト・イン・ザ・シェル」が公開されている最中ですね。先日観た「タロットカード殺人事件」に出ていたスカーレット・ヨハンソンが主演だそうです。ちょっと期待してます。
そんなわけで今が旬の攻殻機動隊ですが、そのアニメの方の新劇場版はストーリーはかなり難解でほとんど理解できませんでした。何度か観ればわかるかなとは思ったのですが、暇がなくてレンタルの期限が来てしまったので1度観ただけで返してしまいました。
絵の雰囲気はテレビアニメのような感じでいまいち深みが感じられませんでした。CGで描かれた絵は精密に描きこまれているようでいて、かえって軽く感じてしまうんですよね。
攻殻機動隊というアニメのイメージは今から27年前に公開された最初の劇場版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」やその続編としての「イノセンス」(2004年3月公開)によって私の脳内に定着しているのですが、アニメ映画の映像としては最高峰だと感じています。
ところが、それらの押井守監督作品に比べると新劇場版の方はいまいちなのです。最新のCG技術に頼りすぎて手書きの生々しい表現力の方がおろそかになってるような感じです。
CGアニメが悪いとは言わないし、27年前の最初の劇場版にもすでにCGは使われていたわけですが、使い方次第では映像作品としての良さを殺してしまいかねません。精密・緻密に描き切ることが映像の美しさにつながるとは限らないのです。むしろ省略やボカシといった表現で描かれない部分にこそ人は美しさを感じるのかもしれません。温かみのある映像というのはそういうものなのでしょう。
人は映像を目で見ているだけではなく、自分の脳内の記憶に重ね合わせながら見ていると言います。その記憶の琴線に触れるものがあるからこそ感動するのでしょうね。CGで描き込まれた精緻で圧倒的な情報量の映像は人の想像や記憶の入り込む余地を与えず、結果的に冷たい印象を与えるだけとなってしまうのかもしれません。それでは感動できませんよね。
新劇場版の映像があまりにも残念だったので、27年前の映画をもう一度観たくなりました。あの時の映像はもっとすごかったはずだと、確かめてみたくなったのです。
それでさっそく「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の DVD を借りてきて観ました。
うーん……やっぱりいい! 27年前の映像は確かに多少古臭い感じもしましたが、今時のアニメにはない圧倒的な迫力がありました。テレビアニメではなく、まさに映画とはこういうものだと思い出させてくれます。すばらしいですね。
それが公開された1995年当時、私はちょうどアメリカに留学中で、街中で広告の看板だけはよく見かけていたような覚えがあります。実際に劇場に足を運んで観ることはなく、帰国した後でビデオか何かで観たのだと思います。
その当時はまだインターネットすら普及していなかった時代。パソコンの性能だって大規模なCGを扱うには不十分だったはずです。そんな時代に、およそ30年後の今よりもさらに先の時代を生身の人間の手で描き切った攻殻機動隊というアニメは本当にすごいですね。その近未来の世界の、機械と人間の境界線というようなテーマも含め、いろんな意味で。
技術が進歩すればするほど、人間力は退化してしまうのかと感じさせられます。