プライベートジェットは公共の為の物とは云えまいから、保安検査などは自己責任で遣ってくれれば沢山である。
CIQはそうは行かない。
厳しくやって戴かなければ、麻薬でも金塊でも死体でも天然記念物でも、運び放題である。
年末の騒ぎで、中にゴーンではなくそういう物が入って居たらと思うと腹が立つ。
顔を晒していた搭乗者はグレース・ケリーやオードリー・ヘップバーンといった、一般に好感と共に知悉されていた様な人物では無さそうで
ある。
然れば箱の中を調べなかった理由は、相手がプライベートジェットを使う様な金持ちである事に尽きる、という事に為ろう。
而も日本ではこれが常態であるらしい。
詰まり日本の役人は、貧乏人は信用しては成らないが、金持ちなら信用する事が出来る、との先入主の主であるらしい。
併し麻薬王などは、殆どが金持ちであろう。
この騒動は、そういう悪党連中を大いに喜ばせた事であろう。
何せ勝手に斟酌してくれるのである。賄賂も脅迫も無用で、遣りたい放題である。
尤も斯界では疾うに周知しているからこそ、こんな事に為ったのでもあろうか。