9日に奥川君が、ヤクルトのキャンプを見学した。
その表情は愈々プロの世界に踏み出すのだという緊張感で、強張って居る様に見えた。
事実当人も見学を終えて、「今の儘では、全然プロとして通用しない」という意味の事を言って居た。
矢張り何と云っても、十代はまだ、成長の途上にあるという事であろう。
成長し切った様に見えるアスリートでも、究極的強敵は内在しているので、戦いの終わる事は無く、真に成長し切る事は永遠に無い。
内在する敵とは、自身の心の弱さや、無能さ、非力さ等、そして病気と外傷である。
就中病気と外傷は、自身の管轄外である事も多い上に、一流のアスリートも良く、これらの為に泣かされ往々にして引退迄して居る。
然ればこそ成長途上であろうと無かろうと、彼等を庇護すべき立場の人達には無上の心配りが求められる。
野球でも、投球数の制限等と同時に、イニング数を5位に減らす事も考えられて良かろう。
抑野球は21点先取で勝ちと為って居たものが、時間が掛かり過ぎると云うので、19世紀の半ばに、9回で終わりと改められたらしい。
プロで短過ぎては観客が承知しまいが、高校野球での配慮は、観客よりも選手を重んじて、為されるべきであろう。
何でもじっくりと腰を据えて遣る程、興も深まるが、程度や他の事情との兼ね合いが問題である。
私等も麻雀でも、東南西北の総てを遣りたい方なのであるが、近頃は東南や東北の半チャン戦どころか、東場のみの東風戦が普通らしい。
時間の掛け過ぎは、流行らないのである。野球にだけ過剰に時間を掛ける事もあるまい。
又私は腸が弱く、皆で同じ物を食べて、誰も何とも無くとも、腹を壊したりするので、腹に悪い物には敏感である。
私が食料の買い出しに行く店に、韮団子というのが売られて居る。
気に入って毎度買って来て食べて居たが、ある日気付いた。食べた翌日に、決まって腹を壊すのである。
それから韮団子は買わなく為った。幾ら美味でも、天秤に掛けて見る迄も無く、健康の方が重い。
粗食には耐えられても、病気には耐えられないのである。