吾人の様な庶民は、何につけても専門的知識を持って居らず、得られる情報も限られて居り、選択も判断も実行もし難い。新型コロナの様な未知の事物に就いては尚更である。そこで公の事物に関しては役人や政治家に委ねて居る訳である。併しあまりの迷走にはどうしても、何か呟かずには居られない。
以前菅さんは「旅行に行こう」キャンペーンに就いてこんな事を言って居た。「人の移動が感染拡大に寄与しているとは断言できない。証拠が無い」証拠等無くとも想像してみれば解る。「だるまさんが転んだ」の様に国中の人を一斉に止めてみるとする。みんなマスクはして居るので、ひと月も経てば、発症する者はし、死ぬものは死に、回復する者はし、流行は収まって居る事であろう。これで駄目なら打つ手としてはワクチンと薬の登場を待つのみである。移動こそが感染の基なのである。
菅さんも想像してみたのか、グラフの右上がりのあまりの急勾配に胆を潰したのか、今は「自粛」キャンペーンに切り替えて居る。スウェーデンも当初の自然感染による集団免疫方式のような遣り方を已めたようで、それも参考にしたかも知れない。確かに最近の感染者の増え方は胆も潰れる程異様で不気味である。どの国でも最初から、公の勧めや指示に因り、国民は行動を変えて来た様で、グラフには波があったが、最近は上がりっ放しである。
不審であったが、24日の新聞を見て、愕然とすると共に目から鱗が落ちた。「24日以降は英国からの新規入国は拒否、帰国・再入国者には14日間の待機を義務付ける」つまり23日迄は「10月以降、14日間の自宅待機や公共交通機関の不使用など防疫措置の確約を条件に、すべての国・地域からの新規入国を許可していた。」又「11月以降は、滞在期間が7日以内の日本人ら短期出張者について、すべての国・地域で帰国後14日間の自宅待機を免除していた」しかも、その「確約」の不履行を把握して居たらしい。公がか、民間業者がか知らないが、空港と幾つかのホテルを結ぶ直行のバスを走らせ始めたのは、つい最近の事である。併しそのホテルから一歩も出ない筈も無い。
乗務員に就いても、運航への支障を斟酌して、例外として居る。激増しない方が不思議である。これだけ乗客が減って居るのである。余った乗務員をうまく使って2週間の自宅待機等の防疫措置を励行して戴きたいものである。
スウェーデンは、単に胆を潰してか、冷静な科学的知見に基づいてか知らないが、意識的に方針を変えたのである。に対して我が国は、国内に向けては感染の徹底阻止とその為の、あらゆる事物に於ける徹底自粛を唱え乍ら、水際ではおたふく風邪扱いをして、集団免疫方式を採って居た様なものである。この迷走ぶりや、如何に。
原因は、我が国の指導者達の、笊への執着にあるのかも知れない、政治資金規正法などもそうであるように、嗚呼。
追伸
これを綴った後に、集団免疫方式を採りつつ弱い自粛をすべしとの説の在るのを知り読んでみると、一見国策同様矛盾しているようでそうでは無い、集団免疫方式の変異型とでも呼ぶべき納得せられる有意の一見識であった。