雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

なぜ正月に羽子板を飾る?

2008-12-17 23:06:32 | 文化
今日12月17日より東京、浅草寺で羽子板市が始まりました。いよいよ今年も押し迫って来ましたね。

正月には羽子板を飾ります。なぜでしょう?
人形業界で育ってきた私の知識では次の通りです。

羽根突きの羽は「ムクロジ」という、黒くて硬い木の種子に鳥の羽が付いています。この「ムクロジ」は「無患子」と書き「子供が患わない」ようにという意味が含まれています。
また、羽子板による羽根突きは、邪気を「はね退ける」という意味にも通じます。

時代が進むとともに、その時代なりの、さまざまな美人画が多く描かれるようになり衣装もよりあでやかで、華やかになりました。

このように、女児の初正月には羽子板を飾り、その子が美しく無事成長することを願う大切なお守りとして広く用いられるようになったということです。

女児の羽子板に対し、男児には「破魔弓」を飾ります。破魔弓については、いずれ…。