「良い雛人形の選び方」について、少しずつお話を始めさせていただいています。
前回、頭(かしら)について触れましたが、頭そのものも素材は何だと思いますか?
現在の雛人形の頭、おそらく皆さんが人形売り場でご覧になる、そのほとんどが「石膏(せっこう)がしら」でしょう。
とりわけ衣裳(衣装)着の雛人形では、100パーセント近くが石膏頭です。
ひところでは、樹脂製(プラスチック)のものもありましたが、種類とロットを考慮すると、樹脂では型代等のコストがあいません。
歴史的に、もともと伝統的な手法・素材としては、桐塑(とうそ)すなわち桐の粉を正麩糊(しょうふのり)で練ったものでした。現在ではこの桐塑頭の技術・技法を受け継いでいる職人が少なくなっています。
石膏頭は型から抜いた生地に上塗り胡粉を塗ります。そのため、おおむね原型を作った人の意思がそのまま複製されます。若干、鋭利な部分や溝があまくはなります。
桐塑頭は胡粉を作りかえ、地塗り、中塗り、上塗りを何回も行い、途中、眼切りや胡粉による置き上げなど、多くの工程を経ます。本当の手作りと言えましょう。
古くから伝わる、もうひとつの手法・素材として、焼頭(やきがしら)つまり土を焼いたものがあります。焼き上げてから、紙やすりをかけ、やはり何度も胡粉がけをします。
現在、「伝統的工芸品」として認められている人形は、頭の素材は「桐塑頭」と「焼頭」に限られています。いわゆる伝産シールをはり、「伝統工芸士○○作」とうたえる人形の頭は「桐塑頭」と「焼頭」です。
ちなみに伝統的工芸品の江戸木目込人形はボディーも桐塑です。
明日、1月25日 12時より、私、新井久夫は横須賀さいか屋で江戸木目込人形の雛人形の制作実演を行います。
http://arai-kimekomi.co.jp/
前回、頭(かしら)について触れましたが、頭そのものも素材は何だと思いますか?
現在の雛人形の頭、おそらく皆さんが人形売り場でご覧になる、そのほとんどが「石膏(せっこう)がしら」でしょう。
とりわけ衣裳(衣装)着の雛人形では、100パーセント近くが石膏頭です。
ひところでは、樹脂製(プラスチック)のものもありましたが、種類とロットを考慮すると、樹脂では型代等のコストがあいません。
歴史的に、もともと伝統的な手法・素材としては、桐塑(とうそ)すなわち桐の粉を正麩糊(しょうふのり)で練ったものでした。現在ではこの桐塑頭の技術・技法を受け継いでいる職人が少なくなっています。
石膏頭は型から抜いた生地に上塗り胡粉を塗ります。そのため、おおむね原型を作った人の意思がそのまま複製されます。若干、鋭利な部分や溝があまくはなります。
桐塑頭は胡粉を作りかえ、地塗り、中塗り、上塗りを何回も行い、途中、眼切りや胡粉による置き上げなど、多くの工程を経ます。本当の手作りと言えましょう。
古くから伝わる、もうひとつの手法・素材として、焼頭(やきがしら)つまり土を焼いたものがあります。焼き上げてから、紙やすりをかけ、やはり何度も胡粉がけをします。
現在、「伝統的工芸品」として認められている人形は、頭の素材は「桐塑頭」と「焼頭」に限られています。いわゆる伝産シールをはり、「伝統工芸士○○作」とうたえる人形の頭は「桐塑頭」と「焼頭」です。
ちなみに伝統的工芸品の江戸木目込人形はボディーも桐塑です。
明日、1月25日 12時より、私、新井久夫は横須賀さいか屋で江戸木目込人形の雛人形の制作実演を行います。
http://arai-kimekomi.co.jp/