雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

啓蟄、雛人形のしまい方

2009-03-05 18:59:24 | 節句人形 雛人形
ひな祭り(桃の節句、上巳の節句とも言います)が終わり、今日は啓蟄(けいちつ)、春の陽気に誘われて、虫たちが顔を出す日です。

お雛様が飾られているお宅では、さていつ雛人形をしまおうか?という頃でしょう。

久しぶりに太陽が顔を出しました。
こんな日こそが、雛人形をしまうべき日です。
なるべく乾燥した日がベストです。

お雛様は季節感を楽しむ、日本の風情、という意味からも、片づけは、なるべく早めに、遅くとも三月中旬までに済ませるのが一般的でしょうか。

しかし、地方によっては旧暦によるひな祭りのお祝いをされる所もあります。4月の3日がひな祭りです。

早く飾って、早くしまわないと、お嫁に行きはぐる、などとも言いますが、人形職人の立場から言いますと、長持ちするようなしまい方がいいと思います。

①先ず、天気のいい日にしまう事。

②毛ばたき等で、ほこりをしっかり落とす事。
  ほこりに湿気が付くと、カビが生える危険があります。

③パッキンにする白紙は、新しい乾いたものを使う事。

④髪の毛や、紐や糸が癖がつかないように、気をつける。

⑤衣装着のお雛様は、パッキンのつめ方を十分気をつける。
  しまい方が悪いと、来年、箱から人形を出したとき、形が変わっています。
  (木目込人形のお雛様は、この点型崩れしないという、利点があります)

  失礼ながら、仕立ての悪い人形ほど、型崩れの可能性が高いです…
  (余計なお世話かも?)

⑥この時期はスーパーなどのレジの脇に、人形用の防虫剤が置かれているので説明 書通りの使い方をしましょう。
  
  
⑥しまう場所は、地下室などは避けましょう。納戸や押入れなら、高いところがい いでしょう。

なお、今さら手遅れですが、飾り付けの前、お雛様がどのように箱に収まっていたか、写真を撮っておけば良かったですね。
http://arai-kimekomi.co.jp/


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