「易」と映画と「名文鑑賞」

タイトルの通りです。

「易経」覚書 アマゾンbookレビューから転載

2015年10月26日 11時13分52秒 | 
「易経」覚書
本田済「易」(朝日新聞出版)
文句なしの名著です。
特に最初にある「解説」が参考になりました。
長くなりますが、引用します。
以下、引用----------
宋の朱熹(朱子)はいう、「易はもともと卜筮のためにつくられたものである。後世の学者が、卜筮の説を鄙(いや)しいとし、言うに足らずとするのは誤りである」(『朱子語類』)
 なぜ後世の学者が卜筮の説をいやしいとするのか。問題は占いというものと倫理の立場との矛盾にかかっている。倫理の立場からいえば、人間は良心の命ずるままに行動すべきであって、結果の損得は顧慮すべきでない。ところが占いというものは、結果を先に見せてくれる。結果を見て有利なように行動するのでは、倫理的に不純である。というのがおもな問題点らしい。朱子はこの点をどのように解決しているかというと、『朱子類語』に、次ぎのような意味をのべる。
 「易は、人のために占って疑惑を断ち切るためのものである。道理としてこうすべきなら、当然そうすべきである。道理としてしてならぬなら、してはならぬ。そういう場合、改めて占う必要はない。正しいことで道が二つに分かれて迷うときにだけ占うのである。悪いこと、私欲のことについて占ってはいけない。」
引用終わり----------------
金谷治先生と同じくらいに読みやすい丁寧な文章です。再読、三読にたえます。
「大学」「中庸」「論語」「孟子」と読みすすめてきて、「易経」にたどり着き、この本に出会えて本当に良かったと感謝しております。
御礼の代わりに、蛇足を承知で誤植を指摘しておきます。
P600 5行目 (誤)捐 (正)損
P624 6行目 (誤)瘠 (正)駁 

この本を読む前と後に手に取った本を簡単に紹介しておきます。
この本の前に手に取った本、
①「易経」(岩波文庫 上下巻)。
当然のことながら初学者にはやや難解でした。
②「易の話」(講談社学術文庫)。
故金谷治先生の名著です。この先生の「孟子」(朝日新聞社 中国古典選 文庫)以来私淑している者としては、大変に読みやすい中級車向けの解説書でした。
③「すぐに役立つ銭流易経」(棋苑図書)
④「サイコロを使った実占・易経」(五月書房)
と2冊購入。実際に占ってみたくなって、八面体サイコロなどと同時に買った2冊の参考書です。特に③は占う度に参考にさせていただいています。題名の通りすぐに役立ちます。④も、③と同様に実践(占)に役立ちます。

この本の後に手に取った本。
⑤「黄小娥の易入門」(サンマーク出版)
読み物としての易占例のベスト著書です。読みやす過ぎて1時間もあれば読めます。もちろん易占いの参考書としてもお勧めです。
⑥「はじめての易占」(青土社)
前出のどの書にもないお話しがいくつかあり、楽しませていただきました。例えば韓国の国旗の話。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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