「易」と映画と「名文鑑賞」

タイトルの通りです。

易経抄録  7「師」地水師 本田済著「易」p104

2016年06月26日 04時20分33秒 | 
易経抄録 
7「師」地水師 本田済著「易」p104
 軍隊を用いる道は、貞(ただ)しいということを条件とする。すなわち天命に従い、衆望にそって、悪を討つ、正義のいくさでなければならない。しかも老成した人物を将軍としてこれに委任する必要がある。小人を将軍とすると、いたずらに好戦的で、功名をあせり、失敗する。いくさに大義名分があり、将軍がおとなであれば、結果は吉。すなわち戦って必ず勝つ。そもそもいくさは生命をそこない、財をやぶる。やむを得ずして行なうもの。いくさを始めておいて負けることは罪である。勝つことでもって始めて罪を免れることができる。それが、吉にして咎なし(魏の王弼)。占ってこの卦を得た場合、そのことが正しく、事に当たる人が老成した人物であれば、結果は吉で、咎もない。

易経抄録  6「訟」天水訟 本田済著「易」p97

2016年06月15日 06時10分09秒 | 
易経抄録 
6「訟」天水訟 本田済著「易」p97
 卦辞のいう意味は、争弁にあたって、自分のほうに真実があるのに、それが通らない。内に反省戒懼して中道を得た行動をとれば吉。強引に押し切ろうとすれば凶。公平な大人に会って裁いてもらうがよい。訟ということがもともと危険なことなので、大川をかちわたりするような冒険をしてはいけない。


易経抄録  5「需」水天需 本田済著「易」p90~

2016年06月12日 21時31分30秒 | 
易経抄録 
5「需」水天需 本田済著「易」p90~
 軽々しく歩いて渡ることはできないが、この卦を得た者が、ゆっくりと待って、孚(まこと)があれば、最後は大いに亨(とお)るであろう。さらに正道を固守するならば(=貞)、吉であり、大川を渡ることもできるであろう。この場合、貞は吉の条件。川を渡るには、まず待つことが必要である。この卦、卦名から推せば悪いようだが、待つべくして待つので、判断辞はめでたい。


易経抄録  4「蒙」 本田済著「易」p84

2016年06月02日 06時44分27秒 | 
易経抄録
 4「蒙」 本田済著「易」p84
 幼い者が誠心誠意で一つのことを占ってくれと頼むときは、教えてやろう。こちらを信じないで、二度三度、かさねて占ってくれというのは、占筮(師道)の神聖さを瀆(けが)すもの。そのような時は、教えてやらない。蒙を啓くの道は、貞(ただ)しくなければいけない。故に貞(ただ)しきに利(よろ)しという。

※引用者のコメント
この卦については、吉凶悔吝咎の占辞が記載されていない。