こはくの部屋は元々じいちゃんの部屋だった。
じいちゃんは高校の数学の教師で、
部屋の真ん中には真っ白なカバーをかけられたベッドが置いてあり
退職してからも常に勉強している机と本棚だけのとてもシンプルで質素な部屋だった。
もう35年以上も前のこと。
懐かしいガラス戸
ほかの部屋と違って緊張感漂う空気が流れ、私みたいなバカが入ってはいけない気がした。
子供はふつうベッドでトランポリンの如くぴょんぴょん飛び跳ねて遊ぶが
そんなことしたら頭から湯気出して怒られるのは目に見えていたのでこんな私でもやらなかった。
それがだ。
今ではこんな部屋になってしまった。
ベッドの代わりに、版画を刷る100kg以上の使っていないプレス機(夫用)。
そう、夫の仕事部屋でした(過去形)。
絵の具のこびりついた机。
ホームセンターで購入した一番安いカーテン。
観葉植物用の水(焼酎は虫よけ用に買ったものですよ)
とラム酒(ラムレーズンなどを作るために買ったもので余ったものですよ)。
よく使っていたラジカセとカセットテープ(現在も聴いている)。
友人からもらった招き猫。
出窓用座布団(布団のリフォーム)。
もちろん、猫トイレ。
春夏秋冬のベッド4つ。
じゃまな石膏。
と、こはく一匹。
これらがギュッと詰まった四畳半。
ここにこはくが籠城している。
いや、閉じ込められている。
さぞかしじいちゃんは嘆いていることだろう、猫も嫌いだったみたいだしね。
★
小学生の時、算数を教えてもらったことがあった。
でも私はまったくやる気というものがなかったので
「あーはいはい、わかったわかった!」とごまかしたら
案の定、じいちゃんは「ナオはまったくわかってない!!」
と沸騰したやかんの如く怒りだしたので、怖くてトンズラした覚えがある。
そんなバカ孫の行く末は高校の数学で0点を取得。いさぎいいねぇ。
★
夫が帰宅したら他の猫たちを夫にまかせ、こはくの部屋でいろんなことをちまちまやろうかな。
だって、この頃こはくは私を待っている。
夜の…
一匹ぼっちはさみしいよね。
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ウチなんて。。。!!!
おじいちゃん、大事に住んでいるなおさんご夫妻に、感謝なさっていると思いますよ。
私が、女子高生の時に、なおさんのおじいちゃんが、学校に在籍されていたら、私。。。も、説教されてたカモね~。。。。。
現に、私の数学の先生は、私たちの将来の伴侶は、自分達よりも、賢い男性を選ぶべし!!!と、授業中、時間を割いてまで、力説して、私たちの将来を心配してくれた、おじいちゃん先生でした。
バレンタインに、成績表をランクUPして欲しくて、チョコレートを渡したら、頬っぺた紅くなって、『ありがとう。。。。』ーって言ってくれました。
でも、ソレはそれ、コレは、これ!!!
成績表は、アヒルさんが並んでいました。
なおさんのおじいちゃんがいらしゃった女子高は、みんな、生徒想いの、温かい先生ばかりでしたよ!
お会いしてみたかったです。なおさんのおじいちゃん先生に。。。。
あったかくていいですね。
お部屋ひとつひとつに、色々思い出があるんだろうなぁ、
って思うと、とってもうらやましいです。
それにしても、版画の機械や石膏!
ご主人芸術系の方なんでしょうか?
ナオさんも色々作ってらっしゃいましたね。
見ちゃいました。フフフ。
ちなみに、私も数学が大の苦手で
高校時代、テストの点が悪い順に前から座らされ
もちろん前列キープし続けてました。
素敵なおじいちゃん先生ですね。生徒思いの先生が一番!
ワイロ渡してもダメだったか~(笑)。でもそこがいい!
うちのじいちゃんは短気だったから怖かったと思うよ~。
ホントにポチさんと私は不思議な縁ですね。
でも、震災で部屋の土壁も崩れたままだし、猫のおかげで畳もボロボロ…。
お化け屋敷化してきました…。んーマズイ。
夫は版画が専攻でしたが、今は別の仕事をしていて忙しくて制作しません…。
前から座らせるなんて…見せしめじゃないですか(笑)!
先生は心配してくれるのだけれど、あれは居心地悪かったわー
やっぱりこはくちゃんのたたずまいはコダマに似ている。
コダマは一匹で居る方が好きな子でした。
でも出来なかった教科ってずっとひっかかっていて
今でも試験を受ける夢を見たり…。
似ていると言われるとうれしいものです。
コダマちゃんは独立心があったのでしょうか。
猫って本来はそうゆうものなのかな。
こはくはああなるまでは他の子に甘えていたんですよ。変わるものです。
でもやっぱりさみしいみたいです。