美術コースブログ

八戸工業大学第二高等学校美術コースの公式ブログです

画材について

2008-06-17 21:25:24 | コース情報
美術コースでは、たくさんの画材が配布されます。初めて見る画材や、使い方が分からないものもたくさんあるのではないでしょうか。
今回は、美術コースで配布される主な画材をデッサン・油彩・デザイン・水彩に分類して説明していきたいと思います。

①デッサンで使用する画材


[鉛筆]
デッサンだけではなく、美術を勉強するためには欠かせない画材です。工大二高ではステッドラーというメーカーの鉛筆を使用しています。
デッサンで使用する鉛筆は、2H、H、HB、B、2B、3Bを主に使用して描いていきます。デッサンで使用する鉛筆は、鉛筆削りではなくカッターで削ります。写真のように鉛筆の芯を長めに、木材の部分もなめらかに削り、細長い円錐形になるようにします。

[練り消しゴム]
デッサンの時に使用する消しゴムで、その名の通り練って使います。
適当な大きさにちぎり(目安は半分くらい)、指でこねて柔らかくしてから使います。
普通の消しゴムと違い、鉛筆や木炭の粉を吸着させて消す消しゴムです。
紙を傷めにくく、消しカスもほとんどでません。
黒くなったら新しいものに変えましょう。
そのまま使っていると、今度は練り消しゴムに付着していた粉が紙についてしまいます。

[プラスチック消しゴム]
普段使っている消しゴムと同じ物です。使いすぎると紙を傷めてしまうので、練り消しゴムではどうしても消えない部分などに使用します。

[フキサチーフ]
絵の具で描いたものと違い、鉛筆や木炭で描いた物は粉が紙の上に乗っただけの状態です。そのため、擦ったりするとすぐにとれてしまいます。
それを防ぐためにこのフキサチーフを画面に吹き付け定着させます。

[羽ぼうき]
プラスチックの枝に羽がついたものです。紙についた消しカスをこれで取り除きます。

[デッサンスケール(デスケル)]
透明な部分に分割した線があり、これを通し描く対象を見ます。
デッサンの他にも、スケッチや油彩などでも使用します。
大きさも種類があり、Bサイズ、Fサイズ、Dサイズがあります。

②水彩で使用する画材

[透明水彩絵具]

工大二高ではホルベイン社の24色入り透明水彩絵の具を使用しています。
全108色入りの水彩絵の具は美術職員室にあるので、気になる人は見に来て下さい。
水彩絵の具は図工の時間などで使っていた絵の具と同じ物です。
小学校から慣れ親しんだ画材ですが、本格的に使うとなるとかなり難易度の高い画材です。

[筆、筆巻き]
水彩用の筆は、平筆と丸筆、面相筆を使用します。筆巻きに巻いて保管しておきます。

[パレット]
スチール製のパレットです。水彩絵の具はあらかじめパレットに出しておき乾燥させます。こうしておけば絵の具を出す手間を省くことができます。

[水バケツ]
丸ではなく四角い水バケツを使用しています。筆を置いておく溝もあるのでとても便利です。

③デザインで使用する画材


[アクリルガッシュ]
水に溶ける絵の具ですが、いったん乾くと耐水性になります。また、不透明なので重ね塗りをしたときに下の色が透けて見えません。使い勝手のいい絵の具なので、デザインのほか油彩画の下地で使用することもあります。美術コースでは、デザインで使用しやすい色を選び、セットにしてもらっています。

[色見本・配色カード]
色々な色の見本。色の組み合わせなどを、実際に画面に塗る前に確認したりするときに使用します。

[マスキングテープ」
アクリル絵具を塗るとき、絵具がはみ出ないようにするためのテープです。

[水張りテープ]
画用紙やケント紙をパネルに貼り付けるときに使用します。紙は水を含むとしわになってしまうので、あらかじめ水を含ませた紙をパネルにぴったりと貼り付けます。ガムテープ代わりに水張りテープを使います。

[筆]
ナイロンでできている筆を使用します。水彩・アクリル・油絵それぞれの画材に合った筆を使いましょう。

④油彩

[油の具]
油絵の具は水彩絵の具のように水が蒸発して乾くわけではありません。空気中の酸素と化合し硬化して固まっていきます。そのため、乾燥に時間がかかりますが、長期の保存が可能です。美術コースではアクリルガッシュと同じく、使用しやすい色をセットにしてもらっています。中には6号のチューブ(約20ml)で1200円もするとても高い絵の具もあります。大事に使用しましょう。

[テレピン]
松ヤニから精製した揮発性油で、リンシードオイルなどに混ぜて使用します。揮発性なのでキャンバスに定着する力は弱いですが、すぐに乾きます。
テレピンなどの揮発性油とリンシードオイルなどが最初から調合してあるペインティングオイルも販売されていますが、美術コースでは自分で調合を変えるので使用していません。

[筆洗油]
油絵の具は水で洗うことができないので、この筆洗油を使います。金属でできた筆洗缶という入れ物に筆洗油を入れ、筆を洗います。

[リンシードオイル]
テレピンに混ぜて使用します。乾性油といって乾くのが遅いですが、キャンバスにしっかりと定着します。

[速乾メディウム]
油絵の具の乾きを早くするための溶剤です。

[油壺]
テレピンやリンシードオイルなどを入れておくためのものです。底の部分がクリップになっているので、パレットに取り付けて使用します。

[筆洗器]
筆洗油を入れておくものです。筆洗油は揮発性がとても高いので密閉容器になっています。

[筆]
豚毛などの動物の毛を使用した筆です。リス毛などはとても柔らかいので細部を描くときに使用します。


以上が美術コースで使用している基本的な画材です。
鉛筆を削るのに不可欠なカッターは個人で用意してもらっています。鉛筆・絵の具・消しゴムなどの消耗品はなくなったら自分で補充しておきましょう。
鉛筆はステッドラーのほか、三菱ハイユニやカランダッシュなど、デッサンむけの鉛筆があるので、いろいろと試して自分に合った鉛筆を探してみてください。
その他にも画材はたくさんの種類があります。こんなことをやってみたいんだけど、これをやるにはどんな画材が必要なんだろう、と分からないことがあったら、油彩・彫刻・日本画・デザインそれぞれ専門の先生がいるので質問してみてください。


進路情況

2008-05-02 12:45:27 | コース情報
◆美術コースの進路状況について紹介します。

表は過去5年間の主な合格校一覧です。国公立大学は岩手大学、弘前大学の他、愛知県立芸大などに進学しています。私立大学は武蔵野美術大学、多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、東北芸術工科大学などに進学しています。


毎年65%前後の生徒が美術系の大学、短期大学に進学しており、デザインの専修学校に進む生徒もいます。また美術系以外の進路を希望する生徒もあり、自衛官、幼児教育、理美容など幅広い進路に対応しています。就職希望者も例年10%前後あり、本校の就職指導担当が中心となって対応しています。


美術系の指定校推薦枠があります。主なところは女子美術大学、東京造形大学、東北芸術工科大学など上記の表の通りです。八戸工業大学にはデザイン的なコースを選択できる「感性デザイン学部」があり、建築学科等とあわせて美術コースから毎年進学しています。



美術系大学の入試には実技試験が課せられています。デッサンと専門分野の試験があり、専門的なトレーニングが必要です。写真は3年生が制作した「石膏デッサン」です。


デザインの学部では、写真のような「平面構成」を試験課題にしている大学が多くあります。
構成力、表現力、色彩感覚を養います。


油絵科の実技試験の課題です。短時間で密度の高い作品を仕上げる訓練をします。
その他日本画、彫刻、工芸等の分野があり、それぞれ専門の試験が課せられます。
大学や予備校と連携して収集した受験情報をもとに、合格レベルまで指導します。
以上、進路状況についてでした。

美術コースの施設

2008-05-02 12:12:40 | コース情報
コンクール受賞の話題です。

今年度の青森県高校総合体育大会のポスターコンクールで、2年生間部綾菜さんの作品が最優秀賞を受賞。現在県内各地に提示されています。本校の高総体ポスター最優秀賞は、今年で14年連続の受賞になりました。

◆美術コースの施設・設備を紹介します。

「多目的校舎」と呼ばれる校舎の中に、3つのアトリエ、4つの講義室、コンピューター室、工作室、倉庫、美術職員室があります。写真は「第1アトリエ」。天井高6mの広いアトリエで、1,2年生の授業で主に使用します。アトリエには全て遮光カーテンが設置され、光の状態を調節出来ます。


3年生の授業と受験指導に使う「第2アトリエ」です。アトリエ内にコンピューターが設置されており、CGで制作する生徒が使用します。


移動式の壁で仕切られて、デザインの授業と立体造形の作業で使用される「第3アトリエ」。アトリエ前の廊下には、生徒の画材を入れる個人ロッカーが設置されています。また、各種の木工工具が設置された「工作室」、白黒写真が現像できる「現像室」も備えています。


40台のコンピューターを装備「第2コンピューター室」。使用するソフトウェアは主に「フォトショップ」と「イラストレーター」です。


CGで制作したB1サイズのイラストレーションです。
以上、美術コースの施設、設備でした。