美術コースブログ

八戸工業大学第二高等学校美術コースの公式ブログです

体験入学のお知らせ

2009-06-29 10:12:02 | お知らせ


”パステルカラー”という言葉がありますが、パステルは発色の美しさが特徴です。
7月25日土曜日、工大二高の体験入学が行われます。
美術コースでは、パステルで果物の絵を描く実習をします。





パステルは顔料(色の粉)を、アラビアゴムや膠などで固めた画材です。
顔料の持つ色彩が、鮮やかに表現される、魅力ある画材です。





指や綿棒などで擦って、簡単に混色が出来ます。
パレットなどの準備がいらない手軽さで、
多くの画家達に使われてきました。





パステル画は専用の紙に描きます。
今回はモチーフに合わせた色のついた紙を使用します。
効率的に、深みのある色が表現できます。





必要な画材は全て本校で準備します。
希望したい方は、工大二高まで中学校を通じてご連絡ださい。





昨年度の体験入学の様子です。
体験入学の詳しい内容は工大二高ホームページでご覧下さい。


青森県立美術館見学

2009-06-23 14:50:01 | コース行事

6月20日(土)、青森県立美術館を美術コース全学年で見学しました。


この日の見学内容は常設展示で、シャガールや奈良美智、
ウルトラマンをデザインした成田亨の作品の他、
「春のコレクション展 ユーモアと祝祭 ― 笑う前衛」を鑑賞しました。



現代美術のなかからユーモア、風刺、ウィットなどさまざまな「笑い」を武器に
新しい世界を切り開いた作品を中心に展示されていました。
生徒達は熱心にメモをとりながら興味深く鑑賞していました。



この美術館は、建築と、マークやロゴタイプなどのビジュアルイメージにも特徴があります。
建築は青木淳による設計で、三内丸山縄文遺跡から着想を得ています。
発掘現場のトレンチ(壕)のように、地面が幾何学的に切り込まれた独特のデザインです。



ビジュアルイメージは菊地敦己が担当しました。
「木」と「a」をモチーフにしたシンボルマークは、
「青い木が集まって森になる」という成長を描いています。
ロゴタイプやサインの書体はオリジナルフォントで、
ロッカーの番号や消火器表示に至る細かい部分まで統一されています。



■生徒の感想文より
○県立美術館に入り、エレベーターに乗って地下へ降りると「アレコホール」がある。
シャガールが描いた、バレエ「アレコ」の舞台背景画が3枚展示されている。
幅21メートルのホールを覆い尽くしてしまうほどの大きな絵で、
一人で描くのは大変だったろうなと思った。
県立美術館といえば、誰もが「あおもり犬」を想像すると思う。
高さ8.5メートルの「あおもり犬」は、写真で見るよりも大きく、迫力があった。
静かに目を閉じて、白い身体になめらかについた影は、柔らかく優しい印象があった。



○美術館を見て建物や内装、ロゴマークまでデザインが徹底している印象を受けた。
いかに本気でやっているのか伝わってきた。
将来、デザイン、美術制作に携わる仕事に就くことを目指す自分にとって大変参考になった。



○今回初めて青森県立美術館に行き、様々な刺激を受けることが出来た。
奈良美智の作品は、人形や花を使って作った空間が面白かった。
棟方志功は、中学校の時に公会堂で彼を主人公にした演劇をみていたので、興味深く観ることが出来た。
またウルトラマンの怪獣のデザイン画もとても印象に残った。
日本画の展示もあって、今制作している作品の参考になった。

日本画の制作

2009-06-16 13:46:05 | お知らせ


6月9日から7月10日の約1ヶ月間に渡り、
日本画の集中授業が行われています。
制作には専門的な知識と技術が必要なため、
青森市在住の日本画家、小野定先生に指導して頂いています。



日本画は「岩絵の具」を「膠」で溶き、「麻紙」に描きます。



岩絵の具は鉱石を砕いた色の粉で、天然と人工の物があります。



粒子の大きさによって分けられ、粒子の違うものは混色できません。



膠は動物から抽出したゼラチンで、絵の具を定着させる働きがあります。



棒状に固めた膠を湯煎して溶かして使い、
温度は人肌(36℃)くらいに保ちます。



これを岩絵の具と混ぜて描きます。



日本画で使う白は、カキの貝殻で作ったもので、
胡粉(ごふん)と呼ばれます。
すり鉢で細かく潰し、膠で溶いて使います。



その際、百たたきと呼ばれる、
膠と胡粉を馴染ませるための作業をしたり、
アクを抜いたりします。



このように日本画は、手間のかかる作業が多いのですが、
高校で岩絵の具を使った授業を行うのは全国でも珍しく、
貴重な経験になっています。

art@kodai2-h.ed.jp

ガラス工芸・木工見学

2009-06-04 12:17:14 | コース行事

美術を職業にしている人は、日頃どんな活動をしているのでしょうか。
6月3日木曜日、2年生が「プロに学ぶ」という授業の一環で工芸作家の工房を見学しました。
この授業は美術関係の仕事に携わっている人の職場を見学して、レポートにまとめるものです。
プロの仕事の様子を見学して、話を聞き、現場を体験することによって、職業観を養い、技術的な学習をします。
今回はガラス工芸作家、石橋忠三郎さんと、木工芸作家、高橋みのるさんの工房を見学させていただきました。


■ガラス工芸作家 石橋忠三郎さん
ガラス工芸作家。多摩美術大学プロダクトデザインを卒業後、
イギリスのスターブリッジ美術大学ガラスコースを卒業。
上越クリスタルガラス(株)デザイン室の勤務を経て、現在は八戸市に工房を開いて活躍中。
東北ガラスアート展、’96日本現代ガラス展・能登島、世界美術工芸博覧会などで多数の受賞があります。


ご自身の制作の様子や、ガラス工芸を始めた動機などをお話しして下さいました。


吹きガラスの体験実習もさせて頂きました。


展示ギャラリーには、色とりどりの作品が並んでいました。


■木工芸作家 高橋みのるさん
「木」と「メカニズム」と「遊び心」の三つの要素を組み合わせ、新しいToy Artの世界を確立して活躍しています。
「朝日創作おもちゃコンクール」連続入賞。「第五回ハンズ大賞」で稲本正賞。
テレビ東京のTVチャンピオン「木のおもちゃ職人選手権」で優勝。
その他銀座ソニービルのディスプレイやパリでの展覧会などで発表。
三沢航空科学館のエントランスホールに展示してある、国内最大級の木製メカニカルモニュメントが有名です。


高橋さんの作品は必ず動くことが特徴で、そのからくりにはアイデアが溢れています。


工房で熱心に語る高橋さん。


人と同じ事をやっていてはプロになれない。
自分の考えで判断し、自分のスタイルを持つことが重要だと話していました。


お二人とも個展を控えた多忙の中で、丁寧に対応して下さいました。
生徒達は生き生きとした表情で聞き入り、メモを取っていました。