10月20日、エア・ウォーターはタテホ化学を完全子会社化すると発表した。タテホ化学といえば、1987年9月に債券先物取引に失敗して285億円(当時の売上高の4倍強)もの損失を出し、タテホショックと騒がれた会社である。一方、エア・ウォーターは1993年大同酸素とほくさんという産業ガス製造企業同士が合併し、2000年には共同酸素とも合併したM&Aに積極的な企業である。 本業は好調で2002年3月期にタテホ化学は累積損失を解消した。今回の完全子会社化はそれを受けたものであろう。あれから18年がたち、もうタテホ化学と聞いてデリバティブによるあの巨額損失事件を思い出す人も少ないかもしれないが、記憶にとどめておかなければいけない事件である。