投資家の目線

投資家の目線486(消費者心理の悪化)

 消費者心理が2カ月連続で悪化している。次の日経MJ記事では「4月の消費増税の影響を感じる消費者がじわりと増えているようだ」と、消費増税の影響が指摘されていた。

「消費者心理2ヵ月連続悪化、9月、家電など耐久財に鈍さ、収入伸び悩み、値上げも響く。」2014/10/17 日経MJ(流通新聞)


 ただし、8月の小売業販売額は前年同月比1.2%増のようだが・・・。

「小売業販売額1.2%増、8月。」2014/10/17 日経MJ(流通新聞)


 首都圏に限れば、買い置きの難しい食料品の多い食品スーパーは業績が持ち直してきたものの、衣料品などもある総合スーパーは不振が続いているようだ。

「食品スーパー増税克服?、首都圏組、業績上方修正相次ぐ、低価格志向つかみ堅調。」2014/10/15 日経MJ(流通新聞)
「食品スーパー増税克服?―総合スーパーは不振、衣料品が重荷に。」2014/10/15 日経MJ(流通新聞)


 他の地方を見ると、前記10/17日経MJの消費者心理悪化に関する記事では「九州・沖縄や近畿は2ポイント前後低下し、落ち込みが大きい」とされていた。また、以下の記事を見ると中部地区では百貨店でも高額品が堅調だが、

「中部消費の真価(上)堅調高額品、もろさも――株安・為替に警戒感。」2014/10/17 日本経済新聞 地方経済面 中部


 『「消費増税の影響は想定以上だった」(ユニーグループ・ホールディングスの前村哲路会長)』というように、スーパーの経営陣からは消費増税の悪影響が大きいことが指摘されている。

「中部消費の真価(下)生活必需品、節約に泣く――製造業賃上げに期待。」2014/10/18 日本経済新聞 地方経済面 中部


 消費が落ちれば、政府が得る消費税額も減るだろう。エマニュエル・トッドは著書「アラブ革命はなぜ起きたか デモグラフィーとデモクラシー」(藤原書店 石崎晴己訳・解説)で、「革命というのは大部分が納税拒否から始まるのです」と述べている。消費の低下は、政府に対する消費者の実質的な抵抗運動になっている。


 増税は大企業より中小企業への悪影響が大きいのだろう。経済産業省と中小企業庁の9月の調査では、増税分の全部もしくは一部を価格転嫁できない企業の割合は、企業向け14.5%に比べて、21.4%と特に消費者向けの商品・サービスで高い。

「増税分転嫁できず21%、中小企業9月調査、消費者向けで。」2014/10/17 日経MJ(流通新聞)


 そのことが影響しているのだろう。以下の記事のように中小企業は消費税率10%引き上げに反対する声が大きい。

「消費税10%「延期・中止を」、中小の66%に拡大。」2014/10/15 日経MJ(流通新聞)
「消費税10%に近畿の中小、6割、中止・延期求める。」2014/10/18 日本経済新聞 地方経済面 近畿


 地域の雇用を守る中小企業が疲弊すれば社会不安も大きくなると思うが、どうだろう。

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