昨年末、安倍首相が産経新聞のインタビューで村山・河野談話の見直しに言及したことに、3日の米紙NYTの社説が「犯罪を否定し、謝罪を薄めようとするいかなる試みも、日本の野蛮な戦時支配を受けた韓国、中国、フィリピンを憤激させるだろう」と批判している(2013/1/5 しんぶん赤旗)。自国の利益のため日韓軍事協力を進めようとしている米国としては、安倍首相に「余計なことはしてくれるな」といったところだろう。
昨年12月9日には台湾で日本軍慰安婦問題アジア連帯会議が開かれた。同会議には台湾、日本、韓国、中国、フィリピン、インドネシア、オランダ、ニュージーランドなどから支援団体や元慰安婦の女性たちが出席し、挨拶に立った馬英九総統は、『戦中の日本軍の慰安婦について「歴史の過ち」とした上で、過ちを許すことはできるが、歴史の教訓は忘れてはならないと主張、日本は立派な国であり、この問題に正面から向き合うべきだと促した』(2012/12/9 中央社フォーカス台湾 「慰安婦問題アジア連帯会議、台北で初開催」)。また、「主催側によると、台湾には以前、確認できる範囲で58人の元慰安婦がいた」(同記事)という。日本では、慰安婦問題は韓国、大陸中国だけのもののように報道されることが多いが、話が台湾、フィリピン、インドネシア、果ては欧州まで及ぶと日本には味方となってくれる国がいない。NYTの認識は正しいだろう。現代の「人道上」の見地からは米国も日本の味方にはならないだろう。それは、昨年のアーミテージ・ナイ レポートからも読み取れる。安倍政権は落としどころをどうもって行くのか?
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