投資家の目線

投資家の目線228(財務相会見)

 20日の日本経済新聞朝刊に藤井財務相へのインタビューが掲載されていた。証券税制について、期限が切れる12年以降も配当の軽減税率は維持する方向で議論を詰めるという。

 「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」(井出正介、高橋文郎著 日本経済新聞社)を見ると、キャピタル・ゲインの税率より配当税率が低いと、内部留保より配当が望ましいという。年金のような非課税の投資家は関係ないが、他の法人投資家は益金不算入があるため配当課税の方が税率は低くなるという。

 キャピタル・ゲインは売却時のみに課税されるので、税の支払いを先送りする効果がある。キャピタル・ゲインの税率を上げれば、長期投資に対するインセンティブになるだろう。実効税率の問題はあるものの、キャピタル・ゲインに対する配当税率の低減もそれをサメ[トする方向のように思う。投資家側としては、投資先企業に対して長期投資してあげる代わりに、内部留保よりも増配するよう要求するのが合理的な行動になると考えられる
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・日本郵政社長に元大蔵省次官の斎藤次郎氏が内定した。元官僚ではあるが、大蔵関係者は郵政に対してやさしい感じはしない。ZAITEN2009年6月号の「雑談経済論」で、西川聰氏(元大蔵省審議官)は、郵便は今後も社会インフラとして存続しなければならないが、郵便貯金、簡易保険事業は国営のまま残し、必要ならば政府の投融資に必要とする額だけ資金調達するものとし(イギリスはそうだという)、基本的には事業の縮小廃止(必要なのは過疎地の貯蓄事業)に向かうべきという趣獅フことが書かれていた。それが、元大蔵省関係者の総意であるかどうかは分からないが、そちらの方向へ向かうのではないかと感じている。
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