投資家の目線

投資家の目線227(日本航空再建と沈まぬ太陽)

 13日、「JAL再生タスクフォース」による日本航空の経営再建計画の素案が提出された。報道によれば債権放棄やデット・エクイティ・スワップ、西松遥社長ら経営陣の退陣、年金支給額半減等が盛り込まれたが、財務省やメーンバンクの日本政策投資銀行だけでなく、メガバンク3行も反対しているようだ。年金問題に関しても年金は賃金後払い説も有力だから、OB等に年金給付額の引き下げを納得させるのも簡単ではないはずだ。
 同社は2006年7月に巨額(結果的には合計1,480億円)の公募増資等を行ったが、増資発表後も同社社債の国債に対するスプレッドは小幅な縮小に留まり、その間株価は大幅に下落した。同社の経営に対する市場の信頼感の無さの表れだが、その後さらに1,515億円の大幅な第三者割当増資を行ってもこの体たらく。市場の見方は正しかったといえる。西松社長は「マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は勉強になり、今でも自分の中では基本」(2009/1/6日本経済新聞夕刊)と言われていたが、あまり役に立たなかったようだ。
 フィクションとはいえ、今週は映画「沈まぬ太陽」が公開される。映画公開の時期に日本航空が経営危機ともいえる大問題を抱えるとは。皮肉なものだ。

 同じく山崎豊子作品としては、先週からフジテレビで「不毛地帯」が始まった。今年、「沈黙のファイル」(共同通信社社会部編 共同通信社)という瀬島龍三モノの本を買ったが、そういうものも読んでみると面白いように思う。
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・日経などの共同事業である「あらたにす」の新聞案内人のところにこんな記事が。
タブーではなくなった? 違憲判決 2009年10月08日 新聞案内人 田中 早苗弁護士
http://allatanys.jp/B001/UGC020004720091007COK00400.html

最近の週刊プレイボーイに「日本の司法をダメにする最高裁事務総局の正体」という短期集中シリーズも掲載されているし。司法の問題にも関心を持ったほうがよいようだ。
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