投資家の目線

投資家の目線692(米中の不動産価格上昇)

 中国で家賃が上昇し、貧困層が生活苦に陥っているようだ。ネイルサロンで働く陳さんは、「貧困地区のアパートの家賃月3千元(約5万円)を支払うと、苦労して得た4千~5千元の収入の大半が消えてしまう。(中略)陳さんの場合、家賃が過去3年で倍近く上がったのに対し、収入は数百元上がっただけだ。」(「Exclusive―中国、IT長者誕生の陰で広がる格差(NIKKEIASIANREVIEW)」 2018/9/30 日本経済新聞 朝刊)という。

 不動産価格の上昇で悩んでいるのは米国も同じだ。サンフランシスコ市では家賃高騰でホームレスが増加し、東洋経済2018年7月28日号「富の街サンフランシスコ ホームレスが経済に打撃」(瀧口範子)には、ホームレス増加による治安の悪化から、長年開催されていたある医療関連組織の会議が今後中止されることとなった誌曹ゥれている。シリコンバレーでも「家賃高騰は「定職持ちのホームレス」という社会問題も引き起こしている」(「「住」に悩むシリコンバレー、南部へ急膨張、家賃高騰、インフラ追いつかず。」 2018/7/15 日本経済新聞 朝刊)という。このような状況を作り出し、それに有効な対応が取れないのがグローバリストで、それに愛想をつかした有権者がトランプ氏やサンダース氏を支持したのだろう。ドイツのマース外相は、『「多くの者がトランプ大統領が去るのをただ待っていればよいだろうと考えているが、この判断は間違っているように思われる。大西洋両岸関係において構造的変化が生じており、この影響はトランプ政権が退いてからも消えることはない。それゆえドイツ、そしてとりわけ欧州は変化に戦略的に適応していく必要がある」との考えを示した。』(「独外相、欧州・米国関係の構造的変化を指摘」 2018/9/24 Sputnik日本)というが、米国国内の問題が構造的変化を生んでいるのだろう。

 東京都は外資系企業誘致拡大を狙って、インターナショナルスクールなどを併設した外国人住宅を都心に誘致するという(「外国人住宅、都心に誘致、品川新駅周辺再開発、都が容積率緩和。」 2018/8/14 日本経済新聞 夕刊)。外国人が日本来たがるかどうかわからないが、東京でも家賃上昇、ホームレスの増加が起こるのではないだろうか。
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