投資家の目線

投資家の目線16(原油高と運輸ビジネス)

 2005年9月27日の日経新聞夕刊によると、原油高でフェリーの運行休止が相次ぎ、運輸業にも原油高の影響がでているようである。しかし、東証、大証第2部の関西汽船は運賃に転嫁を図ることもあり、今のところ株価に大きな影響は出ていないようである。
 トンキロ当たりのエネルギー効率は鉄道貨物を100とした場合、営業用トラック603(JR貨物HPより)であり鉄道貨物は省エネルギーといえる。また(社)全国通運連盟のビデオで、トラックから鉄道へのレールウェイシフトでCO2の約8割削減の例が紹介されており、環境にもやさしいといえる。本年9月末で寝台特急「彗星」が廃止になったが、乗車率の低い夜行列車を運行するより貨物列車を運行するほうがはるかに効率的ではないだろうか。来年にも鳥取空港の夜間駐機が可能となり飛行機の始発便が早くなり最終便の到着が遅くなるため、乗車率の低下が予想されるブルートレインの「出雲」などはその候補という見方が出ている。稼動していない昼間に留置しておくスペースが不要となるため、JR東日本の目論む田町電車区の再開発にもプラスであろう。
 規模の小さな阪神電鉄(2003年のタイガース優勝の効果は前年比で売上高を7%、経常利益を40%押し上げた)のような企業ならともかく、JRのような大きな鉄道事業者ではそれほど大きな業績変動は望めない。変動が大きくなるのはJR東海の品川駅や名古屋駅のような大規模駅ビルの開業の影響ぐらいであろう。一般に鉄道事業の場合には地道な経営努力を評価していきたいものである。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「ノンジャンル」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事