投資家の目線

投資家の目線45(みんなで新株発行問題について考えましょう)

 4月21日の日本経済新聞に東京証券取引所(東証)の新株発行の規制強化が報道された。東証側では、まだ意見募集中(4月28日まで)の段階で決定事項ではないとしている。
 東証ホームページの上場制度の改善に向けたディスカッション・ペーパー(抜粋)において、「特定の株式への株式、新株予約権又は新株予約権付社債の発行(例えば大規模な第三者割当、MSCBの発行)は、既存の株主の権利に大きな影響を及ぼす事項であり、米国のニューヨーク証券取引所やNASDAQではこうした決定を企業が行う場合には、株式総会に付議することを上場規則で求めている」とされている。
 MSCBといえば、昨年のニッポン放送買収事件時におけるライブドア(フジテレビの資金調達も転換価額修正条項つきであったが)の資金調達がすぐに話題となるが、関東つくば銀行や西日本シティ銀行の資本増強にも利用されている。
 またもともと計画にはあったそうだが(サンケイビルHP「第78回定時株主総会 ご質問と回答」より)、昨年3月末にはサンケイビルが1,300万株分(当時の発行済株式数の23.5%)を増資して、結果的にフジテレビ、産経新聞、ニッポン放送のフジ・サンケイグループの保有比率は24.6%から40.7%に増加し、グループの結束が強化され、他の株主の影響力は低下したといえる。
 新株が発行されれば既存株主の持分比率、つまり影響力は低下する。市場参加者である投資家はこのことについてよく考え、自己の権利を守っていくべきではないでしょうか?

P.S.
 前週の問題について、新聞料金の決済で、クレジットカードで決済するとマイルがたまるという広告が勤務先の近所の新聞販売店から入った。それが長期購読者にとって優遇措置となれば歓迎したい。

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