黒川紀章設計の国立新美術館です。(画像/国立新美術館HPより)
メタボリズム、共生の思想などで知られる建築家、黒川紀章が12日死去しました。73歳。
国内外で数多くの受賞に輝き、活動は世界二十カ国におよぶ国際的な建築家です。
突然で、驚きました。
私が知る以前から、彼はカリスマ建築家でした。
最近の彼は「こわれたのか?」と思っていた矢先の出来事です。
世の中を変えるのは政治しかないと思った末での行動だったのでしょうか。
ご冥福をお祈りします。
黒川紀章
京都大学建築学科を卒業
東大大学院時代は、丹下健三の研究室で建築を学ぶ。
1960年 26才で建築の理論運動「メタボリズム※」を結成した他、
「共生の思想」を掲げ、歴史と未来、異質な文化の衝突や融合が生む新たな建築文化の創造を主張した。
既成概念にとらわれない自由な発想は海外でも高く評価された。
カザフスタンや中国鄭州の新都市計画、マレーシアのクアラルンプール新国際空港など、大掛かりな国家プロジェクトにも参画している。
またユニークな言動で、テレビのワイドショーのコメンテーターとして話題に。
4月 東京都知事選に立候補(落選)
7月 参院選に立候補(落選)
主な作品
福岡/福銀本店
奈良市写真美術館
中銀カプセルタワービル
東京都/国立新美術館、
大阪府/国立民族学博物館、
オランダ/ヴァン・ゴッホ美術館新館など。
著書
「ホモ・モーベンス」「共生の思想」など多数。私の本棚にも何冊かあります。
平成4年 日本芸術院賞
10年 日本芸術院会員、
16年 イタリアのデダロミノッセ国際大賞、
17年 「ウォルポール・エクセレンス・メダル」 受賞多数
18年 文化功労者に
※メタボリズム
1960年代に流行した建築運動。
評論家の川添登をまとめ役として、菊竹清訓・黒川紀章・大高正人・槇文彦 等、若手建築家が起こした建築・都市デザインの運動。
未来の建築は、ユニットを交換することで、生命のように「新陳代謝」を繰り返せる、と考えた。
日本万国博覧会の「エキスポタワー」1970年
東京・銀座「中銀カプセルタワービル」1972年等の建築は
・海の上に塔状の都市を作る
・空中に人工の大地を浮かべ、その上に街を載せる
・建物をカプセルのように自由に取り替えのきくものとする など、
生命の原理に関係するコンセプトを追いかけた結果生まれたとのことです。
規格化されたフレームにユニット化した個室・カプセルを吊りさげるデザインは、簡単に拡張することができ、カプセルを取り換えれば、建物自体が“新陳代謝”を繰り返せる構造となっています。
時事通信 産経ニュース 黒川紀章公式HP など参考にしました。