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雪舟伝説 ー「画聖」の誕生ー
京都国立博物館 2024/05/26まで
後期展示は5/8〜
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展示室でとなりにいるおじさんがやたら唸ってる。負けじと変にライバル心を発揮して、雪舟と対峙する。
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もしかして、この鋭くて強い線は、、、
ものすごく柔らかい筆で描いてるのではないのだろうか。
絵も描けないのに、なんとなく思う。
気のせい、、かもしれない。
だけど、どうしてもその自分の中で生まれた疑念のようなものが消えない。
強さとは、、しなやかさと柔らかさ、という
フィギュアスケートみたいなことがあり得るなら、雪舟の強さもまた、その筆の柔らかさ、、があることで成り立つ強靭さなのかもしれないと思った。
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とても強い。線が。空気が。
この展覧会は、雪舟の国宝である毛利博物館蔵の「山水長巻」が最初の部屋にあって、
1つ階を降りたところに雪舟を受け継いだ
雲谷等益(うんこくとうえき)がうつした副本がある。
同じ大きさ、同じ作品の模写。
でも、その隔たりがすごすぎる。
雪舟の筆にあるような
ppppppピアニッシシシシシモや、
ffffffフォルテッシシシシシモがない。
いやその線の強弱もさることながら、
空気、
気配、
湿度
なんかそんな目に見えないものがまるで違う。
実は最初、朝イチで展覧会に来て、
展示室に入ってすぐに作品リストを手に取って、ペラペラのA4一枚のリストに、これは楽勝で見られるなとかバカなことを思っていたけど、3時間半かかった。
それも最後、美術館はしごのため、急いだ。
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(若冲 雪舟の鶴と同じ形)
誰がどうこの天才を継いでいったのか。
それが恐ろしいほどわかる。
でも、この強さを継げるものは
そこを乗り越えられる強さもある絵師だけだともわかる。
鳥肌が立つ。
才能
良くも悪くも、それをつきつけられる。
残酷で美しい伝説の展覧会だと思う。
山水長巻が巻替される後期に、また行く。
これから行かれる方は、
作品番号5の山水図などは、国宝ながら個人蔵ですので、税金対策で出たのかもしれませんが、本当に今回逃せばいつ観られるかわからない作品ですので、どうぞお見逃しなく。
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個人蔵 山水図 雪舟
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