バッハ、ブラームス、ベートーヴェン。
作曲家の世界にはドイツ3大Bというのものがある。
私のなかにも3大Bというものがある。
Bach,Beer,Bizantin
まったく深く考えずに、自分の好きな画家3大Bを言えと言われると
Bosch,Bacon,Bruegelだ。
ヒエロニムス・ボス、フランシス・ベーコン、そしてピーテル・ブリューゲル。
かつてボスの作品を見るために、プラド美術館やウィーン、ルーヴルへ行った。
そしてブリューゲルの描いた世界を歩けるという情報が載った雑誌(カード会社の)
をたまたま目にして、どうしても行ってみたくなり、
ブリュッセルからバスに乗り、ブリューゲル街道を迷いながら歩いた思い出がある。
麦畑をさまよい、
畑のなかをポツンと歩き、民家がたまにあるけど牛とかアヒルとか羊としか遭遇しない。
不安になった瞬間もいっぱいあったけれど、あの空気は今も鮮明に思い出せるなぁ。
兵庫県立美術館
森洋子先生の講演の日を目指して出動。
三ノ宮に着いて、急いでタクシーで美術館に向かい9:50くらいに到着。
10時整理券配布に「余裕だ」とか思いながら館内に入って絶句。
スロープのとこに、ここは上野か!!というほどの長蛇の列が・・・。
無事に整理券をゲットできたのでよかったー。恐るべし森先生。
ヒエロニムス・ボス工房 <トゥヌグダルスの幻視>
仮死状態になった騎士のトゥヌグダルスが、3日間天使に連れられて地獄やら
天国やらに導かれて旅をして、目覚めたら恐ろしさに震えて悔い改めるというおはなし。
左下にいるトゥヌグダルスさんが見てきた光景が描かれているようですが、
ワインを飲まされ続けたり、業火で焼かれ続けたり、首切られたり、もう大変。
でもパッと見ただけでは大変に見えないのがボスだなーって思う。
こんな怪物どうやって思いつくんだろっていうようなハイブリットで悪い生き物が
あっちこっちにいるもんだから、どうしてもそっちのほうが気になってしまう(笑)
ヤン・マイデン <聖クリストフォロス>
ハールレム出身の画家ですが、この人もがんばってボス風モンスターを
考えていますねー。
今東京でしていて、夏に大阪にやってくるバベル展も、どれだけボスの影響って
すごいんだって思いますが、この奇想の系譜展でもボスの凄さを確認できますねー。
子供たちをよく大塚美術館に連れて行っていた頃は、「今日もあの絵を観てから
帰りたい」とよく言われたことを思い出します。
あの絵とは、、、、ボスの「快楽の園」のトリプティーク。
子供たちもやっぱ好きなんだ、、、と思ったらなんだか嬉しかったなぁ。
ブリューゲル <大きな魚は小さな魚を食う>
さて、「新しいボス」と言われたブリューゲルの登場ですー。
今回のエキシビはブリューゲルの版画がまとまってたくさん観られます。
「新しいボス」っていうのはボス以降に生まれた画家へのこれ以上ない褒め言葉です。
とはいえブリューゲルはボスの描く「異界」ではなく、自然や民衆の暮らしを
よ〜く観察して日常的な要素がたくさん組み込まれている。
キャプションで「聖書や異世界の物語を現代社会に移植した」と書いてあったけど、
納得。
この作品も、遠景にはアントワープの街と、当時最新鋭のクレーンがしっかり
描かれている。
人は自分の知っているものがひっそり描かれてあるとテンションがあがってしまう。
ふふふ。
フェルナン・クノップフ <聖ヨハネ施療院>
この絵の前に立った時、なんか知ってる、なんか懐かしいって思って家に帰って調べた。
ブルージュのメムリンク美術館だった。
やっぱり行ったことのある場所は分かるもんなんだなーと。しみじみ。
ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク <運河>
ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク <黒鳥>
ヌンク。
知らない画家だけど、気に入ってしまった。
ガースベーク城のまわりの水辺を歩いた時、こんな空気感だったなーと思って。
なにか、いろいろな時間がオーバーラップする。
この静かな絵の前で。
ジェームズ・アンソール
アンソールが作曲していたと、何年か前に行ったアンソール展でびっくりして、
図録に載ってたマーチを弾いたことを思い出した。
可愛いメロディーだけどなんか弾きにくかった(笑)
ポール・デルヴォー
大好きだ。このすーんとした空気。
ポール・デルヴォーの描く空間に、脳内散歩にでかける。
最後に彫刻の展示があります。
観ていて純粋に「あらら〜〜」とか「うわ〜〜」とか思う彫刻たち。
楽しいですよ(笑)
ベビーカーをおしてるファミリーや、反抗期で「ママ嫌い!!」を連発
しながら泣き喚いてる女の子もいました〜。
どうぞみなさんも足を運んでみてください。
たくさん、変なもの、素晴らしいもの、観てくださいね。