またたび

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夏休み日記 8月10日 「はまらいんやにはまらいんや」

2013-08-20 08:14:36 | 気仙沼
 炎天下。でも気仙沼の太陽は嫌いじゃない。これから始まる夏休み。
 金曜日の夜に東京を離れ、いつものように新幹線-大船渡線を乗り継ぎ、23時過ぎに気仙沼に着いた。
 今日が気仙沼初日だ。
 僕は太陽と仲良くしながら、『珈琲山荘こやま。一日だけの復活祭』のPOP作りをしていた。
 このPOPがなかなかくせ者で、テントに直接貼ると直ぐに剥がれてしまう。
 一工夫が必要だ。考えたあげく、紐をひっかけることに。太陽の下、ひたすら作業。
30分格闘した成果は思ったより上出来だった。




 自分の出来に、満足していると、車道から名前を呼ばれた。 声の主は宮崎ナンバーの車からでサングラスをかけた同い年または上のヤンチャな雰囲気の男だった

 
 誰だ?

すると心の声が聞こえたようで自ら
『オレだよ、優作だよ!』

マジか!?優作か!

同級生の内海優作くんだった。
小学校のときによく遊んでいて、短い時間だったけど塾も同じだった。
そんな優作だったけど、中学卒業以降は疎遠になって、風の噂で宮崎かどこかにいるという話は聞いていた。
そんな優作と出会うのは10年以上振り。風貌は父親そっくり。

中学時代からかなりヤンチャだったから、自分の中であっちの道に進んじゃっているんじゃないかと思っていたけど、話してみたら全然違った。

経緯は色々あったけど現在は古川で鳶職をしているとのこと。復興の一翼を担っているわけだ。
勝手に想像していた自分が恥ずかしくなった。
もし気仙沼で実家を建てるときは優作に頼みたい。
コヤマのケーキを買ってくれた。ありがとうね。

友との再会から間もなく、またしても彼はそれでやってきた。
それとは自転車。つまり世界のtkさんだ。またしても東京から気仙沼まで自転車で走覇した?いや、していない何と仙台で無念のリタイヤ。パンクや自転車の故障など不運が重なり、さすがのtkさんも精神と体力が尽きた。
無二の親友兄と記念撮影。
さすが世界のtk。
来る人来る人に『今回も自転車で来たんですか?』と質問攻めに。
はじめは丁寧に説明していたtkさんも、返事が短くなり、最終的には気仙沼まで走覇したことになっていた。誰も真似できない偉業がここに誕生した。







適当に仙台から車で駆けつけた次兄と店番していると、時間になった。

それは『はまらいんや』の練習。
今年も後輩のゆーと君が率いる「わげすだち」に加わって、はまらいんやに参加する。
踊りのフリは去年のベースだったから、全体練習で覚えられるのは想定内だったが、身体的心配があった。
それは日曜日にぎっくり腰になってしまったことだ。
まともに歩くことも出来なく、さすがに参加は難しいと思っていた。

ところが気仙沼の空気を吸ったおかげで腰に多少痛みがあるが、動ける状態にまで回復した。 よくスポーツ選手が高酸素カプセルに入る光景を目にするが僕に取って、気仙沼がそれにあたったようだ。

問題なく踊れる。
踊れるって気持ちいい。
こんなことを言うのがアレだけど、僕は踊りが大っ嫌いだった。中学の時の運動会で組体操じゃなくて、はまらいんやになったときには本番では踊らず、独りで椅子に座っていた。
踊る意味がわからなかった。 何が楽しいんだよ

みなとまつりではまらいんやがあっても参加することはなかった。

去年、初めて参加したけれども、充実感よりも後悔が強かった。


    やるならちゃんと踊りたい。

    踊りを楽しもう。


自分の中で、何かが弾けた。 吹っ切れた。

そこに純粋にはまらいんやと言う踊りに興じている自分がいた。

   踊らな損損。

恥ずかしがっている場合じゃない。

踊るごとに楽しさが増え、本番に挑む喜びが高まった。

今回もわげすだつは『おだづなよTシャツ』を着て、参戦。

全体練習から数時間後、恒例のコヤマで、おだTを作った兄と全体の記念撮影。

いつものように車屋で集合。

今回は同級生が去年より減ってしまって、7名。気中からは澤井くん、たっけ、修平くん、熊谷美夏さん、熊谷鮎乃さん、そして僕。
気中以外では我らのアイドル小山あかりん。



そして17時30分。だいはまらいんやが始まった。


熱気と熱狂。身体中に流れるアドレナリン。




こんなに踊りって楽しいんだ! 溢れる笑顔。腰も順調!





沿道には同級生、東京で知り合った気仙沼の先輩方、気仙沼が好きになって、祭りを見に来た方々。見つける度にテンションがあがった。
去年よりも応援の熱が増した武山ブラザーズ!わけわかんないくらいに嬉しかったです。ありがとうございます。



子連れの同級生、浴衣の同級生、出店でバイトしている同級生。 はまらいんやのピアノ演奏する同級生。蟹の帽子を被って、違う団体で踊る同級生。
この空間って二度と訪れないんだよね。そう思うと時間の儚さを感じるけど、だからこそ楽しもう。



二時間半が瞬く間に過ぎ、だいはまらいんやが終わった。地面に力尽き座っていると、冷えたビールの差し入れがあった。ありがたい。差し入れたのはあの優作だった。

見た目は少し怖くなってしまったけど、小学校から変わらない心優しい優作がそこにいた。


「わけすだち」を引っ張った後輩のユート君と握手を交わし、だいはまらいんが終わった。

普通ならその後、打ち上げてかあるが体力の限界だったのですぐにアパートに戻った。
東京に置いてきた愛する妻に浮気の心配がないから大丈夫と連絡し、
シャワーを浴びて、すぐに寝た。

見慣れない天井を見る暇もなく、意識は夢の中へ。

こうして気仙沼で過ごす一日目が終わった。


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