パパアはコメンテーター ４

　　　
　「分割統治（ぶんかつとうち）って　なあに」
　「"divide and rule" だな　その地域や国を分割して統治・支配するという政策だね」

　「イギリスが得意だった　これで　あの広大な植民地を運営し経営した　悪魔のチエだな」
　「植民地に何万人もの軍隊を派遣するのはムリ　そこで　Ａ・Ｂ・Ｃの部族を戦わせるようにする　そして　Ａと手を結んでＢ・Ｃをつぶし　やがて　残ったＡも殲滅（せんめつ）する」
　「ヒンズー教徒とイスラム教徒を戦わせるという方法もある　これらを組み合わせ何通り何十通りのパターンがある」
　「民主主義は　人民・国民が主体だから　君主や王様と対立せざるを得ない」
　「単純だが恐ろしい政策だ　これでやられてしまったんだ　アジア・アフリカ・南北アメリカ　そうそう　ニュージランドにオーストラリア　おっとカナダもあった、ずいぶん殺したみたいだ　いや　今でもこっそりとやっているようだ　へき地や奥地の何千人もの原住民が行方不明になっている」

　「少年は　『モヒカン族の最後』という本を知っているだろう　あれだね」
　「これに引っかからなかった　たったひとつの国が　ニッポンだと言われているが　どうだろうな」
　「ちがうの」
　「評価しすぎだ　いびつな近代化だったんだよ　そう　イギリスのコントロールが効いていた　不平等条約で関税の自主権がなかったから半分は植民地　うん　経済的には植民地かな」

　「パパアはね　幕府中心の共和制が良かったと思っているんだ」
　「もし　そうなっていたら　ゆがんだ近代史にはならなかった　そして　あの大戦もなかったと思っているんだよ」

パパアはコメンテーター ３

　
　「主権在民や基本的人権は　日本国憲法に記載されているんでしょう」
　「モンダイは　そこだね」
　「ＧＨＱから　押しつけられたって聞いたよ」
　「ふふふ　ビミョーなところだね　ＮＨＫが　男女同権のプロセスをやっていた　アメリカ人の女性職員が日本の婦人たちが　いかにひどい目にあっているかを強調して　ねばりにねばり　男女同権の一項を加筆させた」
　「・・・」
　「日本側は　それは日本の伝統と文化になじまないと反対したのだが　終に　押し切られた」
　「いいことなの　いいことじゃあないの」

　「あるいは　そこに　彼らの策略が隠されていたのかもしれないんだね」
　デカ・アタマのパパアは、どんな推理を引き出すか。

　「二十歳（はたち）を越えた大人は　相手のことを思って　なにかをすることはない　なにかの見返りを計算してのことだろう」
　「どんな　見返りなの」
　「日本を　伝統的な日本を　解体することだな」
　「パパアはね　民主主義の　もうひとつの顔は　分割支配・分割統治だと思っているんだよ」

パパアはコメンテーター ２

　
　「パパア　タイの王様が亡くなって　みんな悲しんでいるよ」
　「葬儀に参列するために　山奥から野宿してやってきた人がいたね」
　「本当に　かなしんでいるの」
　「かなしんでいるようだね」

　「ニッポンだって　昔は　ああだったんだよ」
　「えっ　そうなの」
　「すっかり変わってしまったんだ」
　「・・・」
　「今は　自分のことしか　考えないだろ」
　「どうして変わったの」
　「やっぱり民主主義教育だろう　国民に主権があり　君主・王様・天皇陛下ではない　そして個人がイチバンで　みんな平等　これでは王様の死を悲しむなんてコトは成立しないだろうね」

　「今の日本　民主主義と個人の権利そして平等の意識　良くも悪くも　その成果かな」
　「じゃあー　タイはどうなの」
　「そこだね　タイの教育　タイの伝統と美風を保持することに成功している　Americaやヨーロッパの軽薄なイデオロギーから民族を守ることに成功している」
　「ニッポンは」
　「もう　手遅れだろうね」

　「あっ」
　「ギクッ」
　「１００円　かえして」
　「もうジコウ　ジコウ（時効）」

　ひどい親だなあー

パパアはコメンテーター １

　
　「ヒカル君　１００円　かしてくらさーい」
　「えっ」
　「１００円ダマ　ひとつ　ねっ」
　「パパア　パパア　パパア」
　「１回で　いいです」
　「どうしたの」
　「おカネがないのね」
　「しっかりしてよ　大人でしょう」
　「大人も子供もないの　ない時はないんだ」
　「・・・」

　「おカネはイジの悪いオンナとおんなじで　いいオトコには冷たいんだ」
　「へっー」
　「マクドでコーヒーたのんで　午前中ねばって　論文を一本　書くんだな」
　エリーちゃんが、
　「ポテトも　食べたいでしょう」
　「うん　うん　１５０円ね」
　「かわいそーなおじさんに　あげよーかな　あげんのよそーかな」
　「ちいちゃくても　オンナの子だな　ワンワン」

　ちょっと他人には見せられないな。

Babylonia に行く 終

　　　　
　「ツーシンがはいりました　ユーメーなニッポンのスカラーが　そっちにむかった・・・」
　「ウィーン　ウィーン」
　「ジツは　ジブンは　ジブンは　ハツネミクちゃんがスキなんでありまーす」
　「うん」
　「このあいだ　スカートひらひら　パンツちらちら　みえそでみえないマホーのパンツ　ワタシは・ワタクシは　シモ・ハンシンのバズーカ砲をハッシャしてしまったんでありまーす」
　「うーん」
　「しかも　しかも　レンパツだったんで　ありまーす」

　「いろいろ　ご苦労でですね」
　「パパア　下半身のバズーガ鵬って　なあーに」
　「ううむ　それっ　パスっね」

　「ジブンは　ジブンは　ニッポン・イノチなんでありまーす」
　「ハラジュクのタケシタ・ドーリで　ウズマキウンチみたいなレインボー・ワタアメをタベるのがユメなんでありまーす」
　「それを　スマホにとり　おおきくのばして　セッタク（拙宅）のゲンカンにかざるのが　ホンカンのホンカン（本官）の　ユメなんでありまーす」

　「夢が　かなうといいね」
　「アイアイサー　コンカイのチョーサが　セーコーすることを　おいのりしておりまーす」
　「ありがとうね」