あやか と しょうま のパパのブログ

パパから彩加と匠真へのてがみです。いつかよんでもらえたら、たのしくおはなししよう!

第4章の16(公)

2015-11-27 18:44:11 | 老子
致虚極、守靜篤。萬物並作、吾以觀其復。
夫物芸芸、各復歸其根。歸根曰靜。是謂復命。
復命曰常。知常曰明。不知常、妄作凶。
知常容。容乃公。公乃王。
王乃天。天乃道。道乃久。沒身不殆。

以下 http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/index.html より引用

[書き下し文]
16.虚を致すこと極まり、静を守ること篤くす。
   万物並び作る(おこる)も、
   吾は以て復る(かえる)を観る。
   夫の(かの)物の芸芸(うんうん)たる、
   各々其の根(こん)に復帰す。
   根に帰るを静と曰う、是を命に復すと謂う。
   命に復するを常と曰う。
   常を知るを明と曰う。常を知らざれば、
   妄作して凶なり。常を知れば容なり。
   容なるは乃ち(すなわち)公なり、公なるは乃ち王なり、
   王なるは乃ち天なり、天なるは乃ち道なり。
   道なるは乃ち久しく、身を没するまで殆うからず(あやうからず)。

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(11/29追記)
心を空にして静めていると、万物が次々と生まれ、
そして、死んでゆくのが分かる。全ては生まれ、死んでゆく。
生命の死は終わりではない動(この世)に対する静(あの世)だ。
ただ生まれたところに帰るだけだ。全く当たり前の法則なのだ。
だから、この法則を明白な事実と言う。
この現実を知らないと思い違いから人生を謝り不幸になってしまう。
この法則を知っていれば、天の器となり、世に良いことを行う公人となる。
公人は天の使であり代理人の王であり、天と一体である。
天とは道(良心)のことだ。道は永遠であるから、
良心と一体となった人はこの世でもあの世に帰っても決して滅びない。

第4章の15(成)

2015-11-27 18:17:06 | 老子
古之善爲士者、微妙玄通、深不可識。
夫唯不可識、故強爲之容。與兮若冬渉川。
猶兮若畏四隣。儼兮其若客。渙兮若冰之將釋。
敦兮其若樸。曠兮其若谷。混兮其若濁。
孰能濁以靜之徐清。孰能安以動之徐生。
保此道者、不欲盈。夫唯不盈、故能蔽不新成。

以下 http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/index.html より引用

[書き下し文]
15.古(いにしえ)の能く士たる者は、微妙玄通(びみょうげんつう)にして、
   深きこと識る(しる)可からず。夫れ(それ)唯知る可からず、
   故に強いて之が容(よう)を為さん。
   豫兮(よけい)として冬に川を渉る(わたる)が若く(ごとく)、
   猶兮(ゆうけい)として四隣を畏るるが若く、
   巌兮(げんけい)として其れ客(かく)たるが若く、
   渙兮(かんけい)として氷の将に釈けん(とけん)とするが若く、
   敦兮(とんけい)として其れ樸(はく)の若く、
   曠兮(こうけい)として其れ谷の若く、
   混兮(こんけい)として其れ濁れるが若し。
   孰か(たれか)能く濁れるを以て之を静かにし徐(おもむろ)に清からしめん。
   孰か能く安んじて以て之を動かし徐に生あらしめん。
   此の道を保つ者は、盈つるを欲せず。
   夫れ唯盈たず、故に能く蔽うて新たに成さざるなり。

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(11/28追記)
今も昔も、悟りを体得した聖人のことは、神秘的でよくわからないが、
あえて説明してみよう。
冬に川を渡るように用心深く、危険予知ができていて、
常に客人に会う時と同じようにしっかりしている。
溶ける氷や原木のように清々しく、深い谷のように度量が大きく、
流れの早い川のように底が知れません。
心を静め安定させて、濁流を清流とすることができるだろうか?
流れが変わるのを待てるだろうか?
聖人は、必要以上にむさぼらない。欲張らず節度を守り、あえて危険を冒したりしない。

よく備えているので、困難にあっても慌てることがないのだ。
安全第一!かけがえのないこの身を守るのだ!堅実さこそが幸運の秘訣だった!

(11/29加筆)
と自分なりに訳してみたが、今回は難解だ!概ねいいと思う。
しかし、最後の箇所「故能蔽不新成」がしっくりこない。
真理と照らし合わせて間違いではないが、老子は他のことを述べたかったのでは?
もう少し練ってみる。

どうやら、写本が何種類かあり所々誤字などがあるようだ。
どちらが間違いか分からないが、別に以下ような原文を見つけた。

「故能蔽而新成」ではなくとなっている。

誰が、心を平穏に保ち、冷静に時を待ち、臨機応変に人生をコントロールできるであろうか?
その人は必要な分で満足し欲張らない。だから困難にあっても耐え忍び、再生・復活するのだ。

と解釈すると腑に落ちる。
私の参考としている訳書と照合しても矛盾しないので納得できる。