大阪Lover

徒然日記

プレミアムフライデー

2017-02-22 22:30:13 | Weblog
今年から、経済産業省の肝煎りで始まる制度。毎月最終金曜日の終業時刻を、15:00ごろに繰り上げ、早く終わった時間を、ショッピングや、旅行などの消費に充ててもらおうというもの。バブル崩壊以降、一時的な回復基調は示すものの、押しなべて一向によくならない日本の経済状況を憂慮して、消費を喚起する目的でスタートした。経済産業省主導で経団連が旗振り役を担っている。

ウチの会社は今のところ「プレミアムフライデー」(以下PF)については、何の言及もなくこのままでは実施することはなさそう。
他社(と言うか一般社会)に目を向けてみて、実際どこまで定着するのかは、未知数。特に問題になりそうなのは、サービス業であろう。PFによって出来た余暇は、ショッピングや旅行等に利用する。ということは、その業界で働く人たちは、益々忙しくなる。鉄道会社や航空会社などは今でも既に、土日祝日関係なく働いておられる上に、社会インフラとしての側面もあるので、仕方ないと思っているだろうが、百貨店やショッピングセンター、レストランなどで働く人たちはどう考えているのだろう?

一方で、サービス業以外のメーカーであっても、自社だけ実施するとなると、機会損失にも繋がりかねないなどのジレンマはあるかもしれない。とは言え、そこはまぁ、日本お得意の「業界横並び」で対応するのだろうから余り問題にはならないか。
ただ、金曜日に早や上がりにした分は、後々どこかできっとしわ寄せが来るのではないか、という危惧を感じるのは、多くの日本人の特徴ではないか?実際、某大手ハウスメーカーは、PFの日は、出社を30分早めれば、午後は半休を取ることを許可する、という方針に変更したらしい。が、そもそも、PFであろうと無かろうと、有給休暇(それが例え半休であれ)を取るのは労働者の権利であり、そのために出社を早めないといけないなどと言うのは、本末転倒、言語道断だと言える。だったら、PFには普通どおりに仕事をして、別の日に丸一日休みを取った方が良いのではないか。まぁ、日本にはまだまだ「止むを得ない」理由なしに、有給休暇を取ってはならん、と言うような理不尽な不文律が存在する会社も、沢山あるようなのだが。

ただ、根本的な問題は、PFに代表されるような、「消費」に費やす時間が無いとかいうことではないと思う。勿論、その側面があることは否定はしないが、もっと大きな問題は、給与所得が上がらないことであろう。バブル崩壊以降、各企業は大きな負債を抱えることになり、その結果、社員に対する給与のベースアップも滞るようになり、また、少子高齢化が顕在化してきて、将来の生活において、特にお金の面で常に大きな不安がつきまとうようになったがために、庶民は余剰資金を消費に回すのではなく、貯蓄に回すようになったことが原因であろう。実際筆者も、例えば旅行に行きたい気持ちはあるし、休みも取れないことはないのだが、資金的なことを考えると、近場ですら二の足を踏んできたという経緯がある。

勤続年数が増えても、給料は上がらず、いつまで今の仕事が保証されるかも判らず、それで消費が簡単に増えるとは、余り思えない。日本という国全体の事情もあるので、中々一筋縄ではいかないと思うが、官民一体となって、国民の給与所得改善に取り組まなければ、休日(祝日)を増やしたり、余暇を増やしたりするだけでは、消費は増えないのではないかと思う。PFを実施したからと言って、その分早く家に帰って、ゴロゴロしているだけでは、決して消費は伸びないのだから。
さて、プレミアムフライデー、どうなっていくのか、今後の展開を楽しみにしましょうか。

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