百九十三番札所; キールエン(Kilyen) 教会
ここが、おそらく最後の巡礼地になるだろうルーマニアに残るハンガリー統治時代の教会である。
この地域は12世紀には、すでに人は住んでおり、今日の村は1334年にKilien 村として記録が
残っている。 1910~1992年には500~600人のハンガリー人が住んでいた。
この教会は、13世紀にユニテリアン派* (プロテスタント)の教会として創立されたのが始まりである。
1334年には教会区教会となり、1947年にはゴシック建築様式で再建された。
現在のものは、1728年にカルヴィン派の教会として建てられたものであり、西側にそびえる尖塔は
1914年に修復された。
教会の内部、外部に残る壁画は1427年頃より、描かれ始めた貴重な遺物である。
* ユニテリアン派; 三位一体論に反対し、神の単一性を主張、イエスの神性を否定する宗派。
正門から望む教会 正門を入って西側から見た教会
南側からの教会側面と当時のゴシック建築様式を残した南門。
南東(祭壇)側からの教会全貌 北東(祭壇)側からの教会全貌
祭壇側の内陣 西(塔)側の内陣
祭壇はなく、聖具室の扉は塞がれ、当時の手水鉢が置かれている。 天井は絵パネルで飾られている。
当時の手水鉢 保存度の良い壁画
1427年から描かれたというオリジナルの壁画 タイトル“最後の晩餐”
壁画タイトル“聖人ラスローの伝説”
壁画タイトル “カーナの結婚式” 等が壁一面に描かれており、是非とも後世に残したい貴重な遺産である。
これで、「ブラショフ・トランシルヴァニアの教会」(6)を最後に、今なおルーマニアに残るハンガリーの教会巡りを
終了します。 次はどこへ行こうか...... いつか、どこかで貴方と出会うことを期待しております。