16世紀にオスマントルコ軍はバラトン湖を渡り、北上しブダペスト、ウィーンへと
攻め込んだということは述べて来たが、距離的に最も狭い、フォニョード (Fonyód) ~
バダチョニ (Badacsony) を船で渡ったと云われている。
その結果、バラトン湖北岸の峠を越える街道沿い(バラトン・フェルヴィデーク Felvidék
と呼ばれている)には数多くの城・教会が廃墟になり遺跡として残されている。
<モノスロー (Monoszló) の教会スケッチ>
1.ドゥルギチェ盆地 (Dörgicsei -medence) の教会たち
この村には三つの教会遺跡が存在する。 いずれもオスマントルコ軍の襲撃で破壊
され、そのまま廃墟になっている。
May 14 2020
左側の山沿いの中腹に見える建造物は通称、聖母マリア教会と呼ばれている遺跡、
右側の麓にある二つの教会は現役の教会で古いものではない。
<ロケーション>
観光案内板 .... 中に描かれている教会の絵は当時の姿を推定している。
1-1. 下ドゥルギチェ教会 (Alsódörgicse temp.) =聖母マリア教会
May. 14 2020
1260年頃にロマネスク様式で建立、塔の高さは 22 m 、
バラトン湖が見渡せる絶景スポット。
1-2. 上ドゥルギチェ教会 (Felsődörgicse temp.) =聖ピータ教会
May 14 2020
11~12世紀にロマネスク様式で建立、この地区で最も古い教会。
隣なりには現役の新しい教会。
1-3. 小ドゥルギチェ教会 (Kisdörgicse temp.) =聖ミハエル教会
Jul. 08 2007
13世紀初期にロマネスク様式で建立。
1-4. 古代ローマ時代からの石橋
Jul. 08 2007
2.カーリ盆地 (Káli-medence) の教会
2-1. モノスローの教会 (Monoszló temp.)
教会のオリジナルは13世紀にロマネスク様式、塔は14世紀に追加建造された。
現在の姿は、1829年に改革派(カルヴィン派)の教会として後期バロック様式で
再建されたものである。
古くからの教会で、再建はあったものの現役として残っている教会はここだけである。
May 14 2020
ゴシック様式を模擬した南門は、1978年に増築されたもので古くはない。
内部は19世紀に改築された。 May. 24 2008
2-3. トットゥシ カーリ教会 (Töttöskáli temp.) 遺跡
May 24 2008
12~13世紀に建立されたらしい。
遺跡の壁の間から見えるのは現役のGyümölcsoltó 村の聖母マリア教会
2-3. リーヴフループ 教会 (Révfölöp temp.) 遺跡
教会は13世紀に建立。 ここの港のフェリー運航は1211年から始まり、交易で
栄えていたが、オスマン帝国軍の襲撃で住民が逃げ出し、村は廃れてしまった。
オスマン帝国の撤退後、1648年頃より住民が戻って来たが教会は再建されることは
なかった。
フェリー乗り場 Sep. 25 2013
これにて「バラトン湖周辺の教会をスケッチ(6)」は、お終いです。
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