撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

「バラトンの車窓から」(8)バラトンアカリ、ザンカ

2013-09-28 16:34:04 | 海外生活

電車はフヴェーネェシ (Fövényes) 駅を過ぎ、バラトンアカリ (Balatonakali) に向かう。

  フヴェーネェシ駅                        フヴェーネシ駅~バラトンアカリ駅中間点を走る電車

 

 

バラトンアカリ駅(正式には、Balatonakali-Dörgicse)        ローマカトリック教会(左、1789年建立)と

駅の向こうに教会の屋根が見える。               ルター派教会(右、1825年建立)が軒を並べている。

 

 

バラトンアカリ駅から真っ直ぐ伸びた山間の道を4kmほど登ると、アルパード時代に隆盛を極めたドゥルギチェ

(Dörgicse) 村がある。 この周辺には数多くの現役の教会と教会遺跡が点在し風光明媚な所である。

教会詳細に関しては、ホームページ「バラトン遍路の旅」に譲りたい。 最終頁にアドレスをリンク。

 

ドゥルギチェ村からバラトン湖を望む。 村の人口は290人、16-17世紀にはオスマントルコとの激戦地帯。

 

道の最高峰(海抜399m)の コシュート展望台(Kossuth-kilátó) 付近からの眺めは千金の価値あり。

 

電車は次の駅、ザンカ(正式には Zánka-Köveskál) に到着。

 

 

ザンカには美しい中世の教会が残っている。 オリジナルの教会はアルパード時代の12-13世紀に建立され

たが、オスマントルコ軍の襲撃で破壊され、1786年にバロック様式で再建された。

 

教会を過ぎ、更に進むと、いよいよバラトン最大の景勝地カーリー・メデンツェ (Káli-Medence) に入る。

ヘジェシ・ツー (Hegyes-tű) “針の山” 付近は、ピパチ(芥子の花)の群生地である。

 

次の駅は、バラトンセペスド (Balatonszepezd) である。 

駅の向こうに見える教会は中世の教会。      聖イストヴァン教会で12-13世紀に建立のローマカトリック。

                                 当初はゴシック様式であったが18世紀にバロックで再建。

  

 

村はオスマントルコ軍によって、完全に破壊され、18世紀にドイツ人達によって再建。 2つの新しい

プロテスタント教会が建てられ綺麗に整備された。 ルター派(左)とカルヴィン派(右)の教会である。

   

 

次の駅、セペスドフルドゥ (Szepeydfürdő) を通貨すると、リーフフルプ (Révfülöp) に続く。

ここはカーリー・メデンツェの表玄関ということもあって、村の人口も1200人ほどで他の村に

比べ多い。 駅の向かいの湖岸には1211年に開業したフェリーの乗り場が現在も使われている。

   セペスドフルドゥ駅                            リーフフルプ駅

 

 

 フェリー乗り場

 

線路脇には、オスマントルコ軍によって破壊された13世紀の教会遺跡が残っているが、復元が一向に進まない。

 

 

 

     これで、「バラトンの車窓から」(8)バラトンアカリ、ザンカは、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」

 

 

 

 

 

 

 


「バラトンの車窓から」(7)アソフォー~ウドヴァリ

2013-09-26 19:39:24 | 海外生活

バラトンフレド(Balatonfüred) の次の駅はアソフォー(Aszófő) 村である。

この辺はベスピレム県に所属する村である。  人口は380人で近傍の村は何処も500人弱程度である。

 

バラトンフレド駅に入線した新しいタイプの電車      手前2人掛けは2等車、後ろの1人掛けが1等車。

 

 

                                     車窓からのティハニ半島(手前は軽飛行機滑走路)

 

 

冬場の景色もまた哀愁に満ちている。

 

アソフォー駅は、バラトン湖沿線では、最も素晴らしい景色を持った駅であろう。

 

 

 

駅前通りから望めるアソフォーの現役教会           ローマカトリック教会で、第2次世界大戦下の

(中世の教会は駅向かいに廃墟になっている、詳細は    1943年に建てられた。

ホームページ「バラトン遍路の旅」をご覧ください)

 

 

次の駅はウルヴェーニェシ(Örvényes) 村である。    国道71号線沿いにある水車小屋(13世紀から稼働)

                                     は現在、ミュージアムになっている。

 

 

水車小屋入口の前に、中世の教会がある。 ロマネスク様式で13世紀に建てられたが、現在は使われていない。

 

 

教会の丘の上からの眺めも格別。

 

現役の聖イムレ教会; 1778~83年にバロック様式で建てられたローマカトリック教会。

 

 

次の駅はバラトン・ウドヴァリ (Balatonudvari) 村である。   中世からの墓地には古い墓石がいっぱい。

 

 

バラトン・ウドヴァリの教会; 国道71号線を挟んで、右が中世の教会、左が現役の教会。

 

湖水浴場(ハンガリー語でStrand) ; ウドヴァリー駅向かいにあり、広くて綺麗で、入場料450Ft.は安い。

  

 

 

   これで、「バラトンの車窓から」(7)アソフォー~バラトン・ウドヴァリーは、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」

 

 


「バラトンの車窓から」(6)ティハニ (Tihany)

2013-09-13 19:39:47 | 海外生活

 ティハニ(Tihany) へは、電車は通っていないので、バラトンフレドの電車の駅に併設されている

バスターミナルからバス利用(片道350Ft.)が最も便利だ。 夏場は1時間に一本は出ているので、

そのままバラトンフレドに戻るも良し、ティハニからフェリーを使えば、15分で対岸に渡ることが出来、

ブダペスト行きの電車(駅はZamárd 駅) に乗って帰宅することも可能だ。 

 

  バラトンフレドの駅前、バス停

 

 湖岸道路からの眺望は、何処がというより、何処もと言うべきで、飾る言葉も必要ないであろう。

自分自身のお気に入りのビュー・スポットで四季を通して撮ってみた。

   夏(8月上旬)...ティハニ修道院教会とバラトンフレドの街を湖岸道路より望む。

 

 秋(10月中旬)

 

 冬(1月下旬)

 

 早春(3月中旬)....岸辺の氷が融ける頃

 

時間に余裕があったら、ティハニ半島の最も高い(海抜219m)ところ、オーバール山 (Óvár-h. ) に登ると、

一層、素晴らしい景観が楽しめるだろう。 ハンガリーでは数少ない紅葉も見ることが出来るかも。 

   時期は10月下旬、 向こうに見えるはバラトンフレドの街並み

 

 

バスの終点は、ティハニのアパートシャーギ (Apátsági) 修道院教会である。 教会の地下には博物館がある。

内容は豊富。 (教会の詳細は、ホームページ「バラトン遍路の旅」に記載)

    修道院教会正面                       何といっても、旅の楽しみは土産物店を覗くこと

 

 

 教会横のビュー・スポットは見逃せない。 紫外線の強さと雲の具合によって神秘的な色彩を織りなす。

 

 バラトンが最も美しい季節は6月かな? (修道院教会横より)

 

 ちょっと、足を延ばして、ラベンダー畑を覗くのも一計では? 教会下の村の中にはラベンダー博物館もある。

 

 カーフェリーでティハニ埠頭を離れ、対岸に渡る。 運賃(片道)は、クルマ1670Ft. 人は580Ft.  自転車270Ft.

5月下旬~9月中旬は1時間に2、3本運行しているが、それ以降は年末までは1時間に1本、3月まで休航。

 

お薦めレストラン; 

 教会真下のイタリアン “Stég” は本場仕込みで、味、料金ともOK。 鶏肉入りサラダの胡麻和え、パン付きは

昼食にピッタリ。 スパゲッティも麺に腰ありで合格点。 夏場だけでなく年中開いているのも嬉しい。

  

 

 

    これで、「バラトンの車窓から」(6)ティハニ (Tihany) は、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」

 

 

 

 

 

 

 

 


「バラトンの車窓から」(5)バラトンフレド

2013-09-09 21:24:47 | 海外生活

 電車は、バラトンフレド(Balatonfüred) 域内に入ると、まずバラトンアラチ(Balatonarács) に到着する。

(但し、急行は停まらない)、その次がバラトン3番目の街バラトンフレドである(人口約13,000人)。

駅ビルには、バスターミナルが併設されており、近接の市や町、村へは、ここが北岸の起点になっている。

 

  バラトンアラチ駅                           バラトンフレド駅

 

 

 街の中心部と駅は湖岸より離れているが、バラトン随一の観光収入のせいか、街は年々、海岸側から綺麗に

整備されて来ている。 おそらく、バラトン周辺の町の中で、一番の近代的で綺麗な街ではなかろうか。 

 

 市庁舎も近代的! 街中には、ゴミが落ちていないのはハンガリーでは珍しい。

 

バラトンフレドの教会

(1) ローマ・カトリック教会(俗称 “赤い教会” と呼ばれている);

    1927年にネオ・ロマネスク様式で、高さ35mの対称のツイン塔が特徴。 起源は1333年から

    ベスピレム配下の司教教会として活動はしていた。

 

 

(2)カルヴィン派教会(俗称 “白い教会” と呼ばれている);

  1828年にクラシック様式で、“赤い教会” とメイン道路で向き合う位置で建っている。

 

 

(3)円形教会; 1846年にクラシック様式で建てられたローマのパルテノン神殿を手本とした円形の教会。

 

(4)聖ミハエル教会遺跡;

  Száka-h. (サカの丘)に残されたアルパート時代の旧Siske(シシュケ)村の教会遺跡。

  11世紀か12世紀の建立と云われている。

 

 

 この教会の復興、保存は遅々として進まず、惜しいの一言であるが、その分、手付かずの眺めは自分だけの

ビューポイントのようだ。 観光客に会ったことがない。 教会遺跡からフレドの街を眺める。 

   

 

 バラトンフレドで最も人気のある所は、勿論、湖岸である。  

夏の間中で、ここからのテレビ中継(モーニングショー)が最も多いと云われている。

  Z/Ferenc 通り (差し詰め、日本の湘南?)       TV中継広場

 

 

 アイスクリームで行列のできる店                軒を並べるレストラン、ブティック、土産物屋等

 

 

 冬の並木路も、又、乙なもの。                    同じ所、夏(7月)

 

 

 ヨットハーバーから望むティハニー半島、 霞む対岸はバラトン南岸。

 

 国立心臓病療養所と手前は“命の湧水”       ハンガリーの著名作家ヨーカイ・モールが1870年に建て、

 多くの人達が汲んでいく。                 執筆活動をした家。 現在はミュージアムとして一般公開。

 

 

お薦めレストラン

 国道71号線沿いで、最も大きく、案山子を飾った         本格ハンガリアン料理の店 “Baricska Csarda”

 老舗ドライヴイン “Kerekedi Csarda”                  味とワインが売り。 駅からも歩ける距離

 

  

 

      これで、「バラトンの車窓から」(5)バラトン・フレドは、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」