<八十七番札所; Harka (ハルカ)ローマ・カトリック教会>
ところ; 国道84号線に戻ってショプロンに向かい、ショプロン市街地の手前、Kópháza (町名)の
サークル交差点を左折し3km進んだところに教会がある。
教会は、アルパード王朝時代(12世紀頃)のもので、ロマネスクとゴシック様式を合わせて
建てられた。 1400年と1600年代に改築された。
1309年に「聖ピータとポール教会」と呼ばれていたという記録が残っている。
ピータとポールそしてマリーが加われば、フォークソングが聞こえて来そうな教会である。
(このグループ知っている人は、相当な通か、古~い人!)
南門と窓(ゴシック様式) 内陣(入口側)
内陣(祭壇側)
祭壇内の天井に Stormó Ferenc の壁画 (19世紀作)
さて、いよいよ当初の目標であった八十八番目である。 四国八十八箇所に因んだ日本の寺院を
彷彿させるような長い石段を持った教会を紹介したい。 札所とか遍路などいう言葉を使ったから
にはせめて日本的に。
ハンガリー全土の古い教会(古刹)を遍路しようという計画で、このブログには57番目の教会から
投稿しております。 56番目までの教会(札所)はバラトン湖周辺の教会です。
興味のある方はホームページ http://invitelweb.hu/otsuka でご覧できます。
<八十八番札所; Karmelita (カルメリタ)教会>
ところ; ショプロンの市街地を抜け、鉄道線路を渡り、西へ進路をとりÓ-Hermes 方面3kmの
県道沿いの急な石段を上った丘の上に教会がある。
教会は、1495年にPálos (ハンガリーのカトリック修道士)修道院として建てられた。
1532~1643年にはオスマントルコ軍の襲撃により廃墟化した。
1643年から、再びPálos の修道院としてバロック様式で改築されたが、1786~
1827年までオーストリア国王József 2世の活動禁止令により廃墟化した。
1892年にはカルメル会(注)の尼僧の所有となったが、第2次世界大戦後の50年間は
貧民救済館として使われ、教会活動は三たび停止せざるを得なかった。
2002年からはカルメル会の活動が再開しており、まさに波乱に富んだ教会であったと
云えるだろう・
教会からの眺めは素晴らしく、登ってきた石段には石像が立ち並んでおり、神聖な気分に
させてくれるが、さほど古いものではない。 せいぜい18世紀からのものであろう。
(注) Karmelita とは、カルメル会のことでカルメル山(イスラエル北部にある)に
住む修道生活者が起源。
階段下からの教会眺望 教会正面
修道院 祭壇側外観
内陣内部 日本的感覚からいくと石段は信仰気分を一層、煽ってくれる。
こんな所でお百度参りをしたら、何でも願いは叶えられそう。
<八十九番札所; Mária-Magdolna (マリア・マグドルナ)教会>
ところ; 前出のKarmelita 教会の階段下の向かいに教会がある。
教会は、12世紀に石を積み上げて、ロマネスクと初期バロック様式で建立され、
塔はロマネスク様式で14~15世紀には追加された。
手前のMária-Magdolna 教会と向こうはkarmelita 教会 (近い)
祭壇側外観 初期ゴシック様式の洗礼用手水鉢
内陣はロマネスク様式
天井は対角線リブのアーチ型(ゴシック様式)
壁には15世紀の壁画があるが残念ながら不鮮明
これでSopron (ショプロン)の教会は終了です。