ばん馬のいる風景-BANEI Photo Gallery -

ばん馬や馬文化のコラムと少し写真。

チャンピオンカップ メムロボブサップの1億円が見えてきた

2025-02-28 21:33:51 | コラム
2025年2月16日 第46回 チャンピオンカップ
優勝はメムロボブサップ✨おめでとうございます!
心路騎手が引っ張ったけど、そこで負けるボブサップと武臣騎手ではないのよね…
ばんえい記念の本命馬として舞台が整いました。
キングフェスタの脚もうれしかった。これで障害が確実ならなぁ!来年かな。

メムロボブサップは1億円が見えてきた。これまでの1億円馬は、キンタロー、フクイチ、マルゼンバージ、ヒカルテンリュウ、タカラフジ、アサギリ、スーパーペガサス。
これってサラブレッドでいう三冠馬みたいに「ファンが覚えておく馬名」の一つだと思うのですがたまに確認しないと忘れてしまう…

ペガサスは2006年のばんえい記念で4連覇し1億円馬に。メムロボブサップは現在、9135万7500円。級別表で見る7372万5000円は今年度の通算収得賞金(令和3年度=2021年以降)なので、今の賞金見逃していた。1億円を達成すると8頭目、19年ぶりで帯広単独開催初の1億円ホースとなる。
単独開催後しばらくは賞金が下がっていた。そんな厳しい中で、なんとかばんえいを続けてきた時代がある。カネサブラックやオレノココロは1億円に到達しなかったけれど、記憶にとどめておきたい名馬だ。

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黒ユリ賞(BG2) ホクセイヒラリ

2025-02-20 18:40:28 | コラム
2月9日第50回黒ユリ賞(BG2) ホクセイヒラリ
すごい接戦だった。渡来騎手は障害力を信じ先行。ゴール前の接戦は、2.5%の割には重い馬場だったということもあるが、引っ張って後続馬を潰しにかかったのが効いたのかなと。サクラヒメからはじまりハリアー、ヒラリと渡来騎手の先行する競馬のうまさにはうなる…もう先行のペースをつかんでいるように思う。
先行し障害を一度で越えたのはホクセイヒラリとパワフルクィーン、2頭のフジダイビクトリー産駒。父から受け継いだ先行力と障害力はこれからも強みになるだろう。母ヒラリも白菊賞を勝つなど活躍しながら黒ユリ賞には出ることなく引退。娘がやってくれました!
渡来騎手はピュアリーナナセで黒ユリ賞を制しており、父カネサブラックの同じ生産者での勝利となる。

口取り写真は裏のつなぎ場で、表彰は事務棟の会議室で行われた。
昔は雨が降ったら表彰は2階ゴール側の旧カメラ置き場で行われていた。コロナ禍の対応しか知らないのかもしれないが、内部で行って「やりました」はファンを無視していることになる。コロナ禍は特殊だった。
今すぐでなくても、ファンが見える場所につなぎ場を作るなど、ファン視線のリニューアルが行われればと思う。ファンはいろいろな馬を見たいのだ。

いつも私が説教(?)のたびにいうセリフ。
多くのファンは文句を言わない。言わずに離れていく。このままだと誰もいなくなる。
誰が馬券を買っているか?見返りがなくてもばんえい競馬を応援する、純粋な思いに応えられているか?

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第5回 翔雲賞

2025-02-09 12:11:00 | コラム
2025年2月2日11R 勝毎杯 第5回 翔雲賞

スターイチバンの勝利でした!
先行し、よく粘った。出走馬中最高馬体重。
能検の一番時計馬が3歳になり、復活の勝利。今後の成長が楽しみ。3強となるか、さらに増えていくか。
気性がいい(ばんえいでは荒いくらいを「いい」という)ところがあるが、表彰ではじっとしていた。たくさん撮影した笑

スターイチバンは新馬戦から連勝し、馬主や育成した人たちがスタンドで喜んでいたシーンを何度も見た。
2歳で焦ることはないということなのだろう、休養して成長を促した。オーナーはほかにも期待の2歳がいいる。スタージャガーは今回は残念だったけれど、同様にみんなで喜んでいる姿を見てきた。同じオーナーのライバルとなりそう。
キョウエイエースもよく見えたんだけどなぁ。ココロノニダイメ、アルイテイコウの善戦はうれしい。
ココロノニダイメは、父の主戦だった恵介騎手で…という思いもちょっとあるのだけど。
コウシュハウンカイとオレノココロの仔の対決が、上位で見られそうなのはうれしい。

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大雪雑感

2025-02-09 12:02:36 | コラム
2月4日、帯広は大雪に見舞われた。それまで全く降らず、ここまで降らないのはおかしい、畑が心配だ、いつ帳尻を合わせてくるんだ、と思っていたが合わせすぎだ!!
(なぜか降雪量は帳尻を合わせてくる、というのが北海道人の常識みたいなもん)
ライフラインは素晴らしいことに保たれていたので、個人的にはテレワークをする分には問題なかった。
翌日、家畜改良センター十勝牧場の馬追いに行ってみたがさすがに中止。結局今年の見学は終了となった。消毒、駐車場所が間に合わないし、馬の世話もあるのにそこまでする必要はない。
帰りに帯広競馬場に寄ってみたら、場外発売用に駐車場とスタンドまでの除雪が進んでいてさすが、と思った。
その時点でコースは除雪が入っていなくて(見出し写真)、水曜休業とはいえ…とドキドキしていたのだけど、土曜日の開催、よく間に合ったよ…。

北海道は広いので、各地で雪の降り方が違う。
帯広に来て驚いたのが、降った雪が溶けないこと。札幌では降ると少しだけ溶けて雪山が沈み、その上に積もって…を繰り返す。帯広は寒いから、降った分だけ積もっていく!!
今、排雪に苦戦している帯広は、そういった理由があるのかなと。
畑も多いので、農村部へ行くと吹きだまりがあり、これは見えないので危険。

札幌で育ち岩見沢にも少しいた私。冬は雪ばかりでなんとなく気持ちも沈みがちになってしまう。帯広は寒いけど十勝晴れが心地いい。日差しがある分暖かく感じる。「暖かいから雪が降る」のが帯広。
冬の学校の授業でもわかるだろう。帯広はスケート。札幌はスキー。
スキーしたい…

大雪の日、ノンストップで雪かきをしていたら、かなり疲れて放心してしまった。
少し休んでから復活しよう…と思ってその場で固まる。いいタイミングで再開。
これって競走中止した馬や、レース途中で動かなくなった馬のようだなぁと……

毎日雪かきをしていたころは、雪かきで使う筋肉(雪か筋肉)がそれなりに鍛えられていく。
ただ、札幌でマンションに引っ越してから車の周りしかしないから衰え、さらに帯広にきてほとんど使わない。雪か筋肉の衰えをものすごく感じた…雪国プライド(なんだそれ)がどんどん失われていく…

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砂山のトラクター

2025-02-03 20:26:10 | コラム
2023~24年の冬に書いたまま、アップし忘れていた内容。

コロナ禍は、しばらく厩舎地区に入れなかった。2023年度からようやく厩舎地区の取材や撮影が可能になった。(とはいえ、今も取材対象を報告して、横に広報担当者がついて、という自由とはいえない取材。今後のためにもなんとかしたい…)

そしてようやく、冬の風物詩である調教風景を撮影できるようになった。なんと、4年ぶり。そんなに経っていたか。
少し前から撮影をしていたカメラマンの山岸伸さんが「風景が変わってしまった」と言っていた。大きなビルがいくつか建つなど、周りを見ていて想像はついていたのだけど、想像以上に変わっていた。

馬たちがズリ引きをして向かう直線のその奥には、新しく建てられた農協連ビルがそびえている。なぜか窓はないので、厩務員によっては無機質な印象を持つ人もいるようだ。

冬になると朝日はスタンド側から上がる。撮影場所と朝日との間には、砂山が高くそびえていた。スタンドからもわかる、ゴール地点の奥にある山だ。
これはコースで使われていた古い砂の置き場で、その頂上付近にはショベルが2台載っている。冷たい空気感の背景に、黄色い農機具がばっちりと入る。


もちろん調教馬場は、撮影のために作られた場所ではない。それでも4市時代から長年この景色を撮るカメラマンはいて、風物詩としてよく取り上げられていたし、アマチュアにも人気の風景だ。作業をしやすくするために置かれたトラクターから、撮影のない間にカメラマンの存在が消されているのと感じた。
自分たちのためにどうしろ、というのでは決してない。ただ、自分たちが「ばんえい競馬」の中で、少しずつ必要性が失われつつあるんだな、ということをさみしく思う。

何度か言っている通り、私は調教風景の美しさを見て「この風景をなくしてはならない」と存続を訴えた。調教見学ツアーも、同じように思う人が増えてほしいから、多くの人に参加してほしいと思っていた。
郷愁を誘う風景は、ばんえいがここにあるための大きな存在理由となると思っている。
どんなに売り上げが良くても、世界の状況を見ると、いつ競馬がなくなるかわからない。

話は変わるが、家の近くにあった林がなくなり、まっさらな土地にされてモデルルームが建った。このあたりでは珍しい、住宅街の小さな森ともいえる林で、野生の花も咲いていて散歩が楽しかった。
緑を大事に、自然を大事に、という考えは、サステナブルという言葉がはやりだした近年では当たり前のことだと思っていた。なぜ伐採してしまったのか。森があることで住みにくいこともあるのだろうけれど、その方が人気が出そうなのにね、という話をしている。コロナ禍で忘れられていることがいくつかあるのではないか。
変わりゆく風景から、なんとなく、そのことを思い出した。

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