中国人が日本に対して抱くイメージ・・・というテーマでのアンケートが中国であったようだ。
色んな意見や見方があった。
時節柄、辛辣なイメージや意見はあったが、冷静なコメントもあった。
その中で、「時に愛すべき国、時に憎むべき国」という意見に私の目は止まった。
やはり相手もそうだった。
これは私も同じことを考えている。
しかも、それは日本人として中国に対してだけ抱くイメージではなく、大半の国に対して抱くイメージである。
そして、それはおそらく多かれ少なかれ世界の大半の人々が、様々な国に対して当てはまるのではないかと思う。
それぞれの国に、それぞれの国益がある。
その国の国益は、その国の国民の利害に直結したりもする。
悲しいことに、大半の国の国民は、自分の個人的利益や日々の生活に直結する、自国の国益を優先させるだろう。
どんなに仲良くなったつもりの相手国でも、何から何まで方一方の利益だけが通り、もう一方の国が損ばかりしている・・という関係では、やがて「時に憎むべき国」になってしまう。
ある時はこちらが損して相手が得をして、またある時はこちらが得して相手が損をして。
それを繰り返しながらやっていくしかないのだ。
一見win・winの関係であっても、厳密にはどちらかの得の方が大きかったりもする。
とかく自分らだけが得をし続けていたい・・・と考えると、相手に対して優位にたてる行動をとってゆく。
そうすると、相手の国にも国民感情があるから、相手も対抗手段をとる。
すると、相手の対抗手段に対して更に優位に立とうとして、エスカレートしてゆく。
いたちごっこが進んでゆくと、やがてにっちもさっちもいかなくなる。
それを打開するために、また相手に対して決定的に優位にたった形で決着をつけようとするとどうなるかは歴史が証明している。
かといって、まったく相手の言いなりにになって、相手ばかりが得をし続け、自分の目先の危機を回避してことなかれ主義でいると、相手は更に増長する。
あまりに目先の「ことなかれ主義」を追い続けると、それは長い目でみれば、自分の代だけでなく自分の後の子孫たちにも損をさせ続けることになる。
そうすると、絶えず相手に対して不満を何代にもわたって持ち続けることになる。
すると国家単位での行動が無理なら、個人個人がグループを作って対抗したり、個人単位での対抗をするようになる。
それは最近の海外での色々物騒な事件を見てれば分かる。
互いに、時には損をし、時には得をする・・・こういうことを双方が受け入れていないと、泥沼になるしかないのだ。
例えば、国家単位での対応に、その国の国民個人個人が納得しているわけではない場合、特に。
それを把握していないと、いずれは、内部に爆弾を抱えることになる。
その爆弾は、その国の国民だけとは限らない。
損させてばかりいる国からの侵入者かもしれないのだ。
そして・・そういう侵入者が増えていって、分散していくと・・・仮に一時の戦争で勝ったとしても、それは闘争の単なる一部でしかなくなり、そのあとも延々と続いていくことになる。