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Anna by Arthur alexander.
ビートルズというと、オリジナル曲の素晴らしさが有名だが、初期においてはけっこうカバー曲もレパートリーにしていたのは、もう皆さんもご存知の通り。
言うまでもなく、今回取りあげる「アンナ」は、初期のビートルズかカバーしていた曲の一つ。
ビートルズバージョンでリードボーカルをとっていたのは、ジョン・レノン。
この曲を歌う、若かりし頃のジョンのボーカルは素晴らしい。
切々と歌っている。
この音源を録音した時、ジョンは風邪ぎみだったらしいが、風邪のため声がいつもより少しハスキーな感じだ。
だがそのせいで、かえって切なさがアップしている。
ビートルズがカバーした曲の中でも、私にとってはこの曲は特に好きな曲の1つ。
他にも・・・例えば「ミスター・ムーンライト」「ティルゼアウォズユー」「ロックンロールミュージック」「ツイストアンドシャウト」なども大好きだ。
このへんのカバー曲は、カバーではあるが、自分がビートルズの初期のベストアルバムを作る場合、選曲したいぐらいの出来だ。
「アンナ」はカバー曲だから、この曲には当然オリジナルもある。
オリジナルはアーサー・アレキサンダーという、アメリカの歌手。
ウィキペディアによると・・
1940年5月10日生まれ。1993年6月9日没。享年53歳。
アメリカでもイギリスでも、元々はそれほど知られたシンガーではなかったようだ。
だが、ビートルズが彼の曲を「アンナ」をカバーした他、ストーンズをはじめとする他のバンドもアーサーの曲をカバーしたこともあり、イギリスのバンドに影響を与えたシンガーとして、評価されているらしい。
自身はスーパーヒットには必ずしも恵まれたわけではなかったようだが、彼の曲をイギリスのスーパーバンド・ビートルズがカバーして、広くその曲が知られるようになった時、彼はどんな気分だったのだろう。
なにせ相手は音楽界で世界を征服したようなバンドだったのだから。
嬉しかっただろうし、自慢にもなったのではないか。
「私の曲を、あのビートルズがカバーしたんだぜ」みたいな気分で。
ビートルズは年がたつにつれてその評価は上がっていき、やがては20世紀を代表するスーパースターになった。
そんなバンドが自分の曲をカバーしたということは、ちょっとした勲章みたいなものだったのではないか。
この曲がビートルズの血や肉の一部になったのは確かなのだから。
もっとも、アーサーにしてみれば、自分が本家なのに、カバーの方が有名になってしまって、、多少複雑な気持ちもあったかもしれないが。
でも、ビートルズがカバーしたおかげで、アーサーも、そしてこの曲も、それまで以上に世界に知れ渡ることになったし、こうして後世に再評価されることが多くなったメリットも大きいはず。
ビートルズが手掛けたカバー曲には、出来が良いものが多く、ビートルズの知名度もあって、オリジナルよりも有名な場合が多い。
中には、数多くのシンガーがカバーしている曲でも、ビートルズのバージョンが決定版みたいに思われてる曲も多い。
特にロックンロール曲をカバーする時のジョンのボーカルは出色で、「ミスタームーンライト」「ツイストアンドシャウト」などはビートルズのオリジナル曲だと思っている人もいるのではないか・・という気もする。へたしたらチャック・ベリーの名曲「ロックンロールミュージック」も。
そしてこの「アンナ」も。
ともあれ、アーサー・アレキサンダーの歌う「アンナ」。
これがオリジナル。
これも凄く良い感じ。
ミュージシャンが、既成の曲をカバーする場合、「原曲を、独自の解釈でアレンジしなおして、独自のアレンジや方向性でカバーする」場合もあれば、「原曲を尊重してカバーする」場合もあったりするが、「アンナ」に関しては、ビートルズは原曲を尊重してカバーしていたことが、この音源を聴くと分かる。
前者の方法でカバーすると、原曲が全く違う感じでカバーされたりすることもあるが、後者の場合は、オリジナルと聴き比べても、あまり違和感がなく、驚きがない代わりに、親しみやすかったりもする。
こんな素敵な曲を選んでカバーした、初期のビートルズのセンスにも脱帽。
アンナ。君は、他の男を愛しているんだね。僕は君をまだ愛しているけど、君がそんなにあいつの方がいいなら、あいつのところに行ってしまっていいよ。なぜ僕は、こんな思いをいつもするんだろう・・。
ほら、君を自由にしてあげるから、あいつのところに行きなよ。行きなったら・・。
歌詞の大体の内容はそんな感じの歌か。
未練たらたらの歌ではあるけど、切ない歌でもある。
身につまされることのある、悲しい恋だなあ。
恋は、時にホントに残酷なもの。
こんな状況・・・似たような経験のある方・・・・いるのでは?
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