時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

片思いの年賀状

2015年01月03日 | 懐かしい系、あれこれ

正月といえば、いろんなものが頭に浮かぶ。

年賀状もまた、その中のひとつ。

 

「いつまでも絶えることなく 友達でいよう

明日の日を夢見て 希望への道を」

 

ご存知、森山良子さんの名曲「今日の日はさようなら」の歌詞の一節である。

多くの人が知っている名曲であるが、実は私がこの曲を知ったのは、年賀状で・・であった。

中学の頃。

この曲は、その時の時点でも、その随分前・・・何年も前から知らていた曲だった・・・はず。

だが、私は当時まだフォークにもロックにもあまり目覚めていなくて、せいぜい流行りの歌謡曲が好きな少年だった。なので、この曲は、それまで知らなかったのだ。

 

好きな子がくれた年賀状に、ハッピーニューイヤーのメッセージやイラストと共に、書かれてあったのが上記の歌詞だった。

この曲をそれまで知らなかった私は、一瞬、この歌詞はその子が書いたのかと勘違いした覚えがある。

 

 

元旦の朝はいつもそわそわ、どきどきしていた。

誰から年賀状が来ているか・・が楽しみで。

(今では印刷などで済ませることも多いが、学生の頃は私は1枚ずつイラストなどを描いて、それぞれに凝った年賀状を送っていた。)

 

誰から年賀状が来てるか・・・という楽しみの中には・・ひそかに好きだった異性から年賀状がきてるかどうか・・・という楽しみがあった。

返信年賀状ではなく、元旦に届くように、向こうのほうから「積極的」に送ってくれた年賀状が来てるかどうかで、正月の私の機嫌が多いに変わった。

来ていようものなら、もうそれだけで嬉しくて、舞いあがった気分になれたから。

その年の元旦の朝もそうだった。

年賀状が届いてるかどうかが気になって、郵便屋さんが来るまで何度もポストを見に行った覚えがある。

やがて・・・何度もポストに行くうちに、やっと郵便物が届いていて。

もちろん、それは年賀状の束であった。

 

そそくさとその束を回収し、自分宛ての年賀状を選びだす。

そして・・差出人をチェック。

 裏面の内容まではまだ見ない。

ともかく差出人を確認する。

で、・・その中に・・・その年は・・・

 

あ・・・・あった~!!

 

差出人の中に、当時片思いだった子の名前を見つけた時、私は飛びあがりそうになった。

少なくても、心は完全に飛びあがって喜んでいた。

返礼としての年賀状ではない。積極的に、その子が暮れのうちに書いて、出してくれていたのだ。

もう、その名前を見ただけで、その正月はバラ色に思えた。勝ったも同然だった。

 

で、はやる気持ちを抑えて(?)、その子からの年賀状の裏面を見た。

すると、その年の干支の可愛らしいイラストと共に、「今日の日はさようなら」の出だしの歌詞が書かれていたのだった。

歌詞だけみたら、当時の私であっても、ちょっと大げさな歌詞にも思えたが、なんの&なんの。

その子が選んで、その子が手書きで書いてくれた歌詞なのだ。

「いつまでも絶えることなく 友達でいよう」という歌詞を、私は単純に真に受けてしまった(笑)。

そうか~。いつまでも僕と・・。うんうん、いつまでも友達でいよう!

 

・・・と思いつつも、本当は友達以上になりたかったけど(笑)。

かといって、別に付き合っている関係でもないのに、「いつまでも恋人でいよう」とは書くはずもないのだが(笑)。

だが、当時の私は、片思いだと思って、自分の気持ちはひた隠しにしてたので、彼女が「いつまでも絶えることなく」と書いてくれただけで嬉しかった。

 

まさか・・・その年の進級でのクラス替えで、その子と別々のクラスになり、疎遠になるオチが待っていようとは、その年賀状をもらってうかれた正月を送っていた私は夢にも思っていなかった(泣)。

いつまでも絶えることなく友達でいよう・・・と書いてくれたけど、その「いつまでも」はクラス替えまでであった・・。

 

 

だが、この曲との私の出会いは、片思いの子が送ってくれた年賀状で、だったのは確か。

なので、この曲が当時の私に特別な歌になったのは、言うまでもない。

 

もしかしたら、そういう出会いをこの歌としていなかったら、その文部省唱歌のような歌詞ぶりに、少し距離を感じたかもしれない。

だが、そうはならなくて、むしろ特別な歌になったのは、その子のおかげであった。

 

 だから、今でもこの曲を聞くと、心のどこかに切ない思いが・・・淡く残っている気もする。

あれから何十年もたつというのに。

 

 

 

皆さんも、子供の頃や学生の頃などに、密かに思いを寄せる片思いの異性から年賀状がきていたら・・・・と淡い期待を持って、正月を迎えた覚え、ありませんか?

 

その結果によっては、年賀状も悲喜こもごもではあるのです。

 

 

 


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