先日テレビで見た「R1グランプリ」。ピン芸人の1番を決める番組だ。
その中の出演者の一人だった紺野ぶるまさんという女性芸人が称賛されている。
今回のR1グランプリで優勝したのは濱田祐太郎さんだった。
濱田さんは、なんと・・ほぼ全盲の芸人さん。
付き添いの人にサポートされながらステージに来て、なんと!全盲であることをネタにした漫談を披露。
障害をネタにした漫談に当初私はどう反応していいかとまどった。
笑ってしまっていいのだろうか・・・という思いで。
だが・・そのネタがきちんとしており、面白かった。
全盲をネタにした漫談などこれまで聞いたことがなかったので、新鮮でもあった。
しかも、その語り口調がよかった。
言葉がはっきりしており、非常に聴きとりやすく、しかも通る声。
落ち着いて、どうどうとした語り口。
実は私は当初マツモトクラブさんを応援していた。前回出た時のネタも好きだったし、今回も私好みのネタ。
今回は優勝するのではないかと思って応援していた。
だが、全盲の濱田さんはインパクト抜群だった。
濱田さんの漫談を聞いてたら、障害を持つ人に希望を与える気がした。
しかも、それだけでなく、語りもネタもしっかり面白かった。
実際、投票ではマツモトクラブさんと濱田さんは互角になった。
視聴者の票が多かった分だけ、濱田さんの勝ちになった。
この・・投票結果が次々に表示されている時。
濱田さんの隣に立っていたのが、ぶるまさんだった。
濱田さんは全盲ゆえ、投票の行方を見ることができない。
票は濱田さんとマツモトクラブさんの2人にどんどん入っていく。
残念ながらぶるまさんには全然票が入らない・・。
ああいう場所に出られているということは、それまで面白さで勝ち進んできたわけだから、芸人としてのプライドはあったはず。
だから、ぶるまさんは悔しかったはずだ。
だが、濱田さんに票が入るたびに、隣に立ってたぶるまさんは濱田さんに、何票入ったかいちいち教えていたのだ。
きっと「Aさんから2票入ったよ」「Bさんからも1票入ったよ」とでも教えてあげてたのだろう。
このシーンを私はリアルタイム放送で見ていたのだが、ぶるまさんが全盲の濱田さんに向かって票の行方をいちいち教えている姿を「なんか、いいシーンだなあ」と思ってみていた。ほっこりさせられ、暖かいシーンに思えた。
自分には全然票が入ってこないのに。
この光景が、番組を見てた人の心をとらえたようだ。
で、ぶるまさんのその行動が「やさしい」「いい子だなあ」「票は入らなかったけど、人間性は満点」などの声があがったらしい。好感度赤丸急上昇らしい。
私も同じ思いだった。
というか・・やはり、同じような思いを持った視聴者は、多かったんだね。
きっと、今後ぶるまさんの活躍の場は増えるだろう。
というか、そうなっていってもらいたい。
私はこれまで紺野ぶるまさんという芸人さんのことは知らなかった。
でも、素敵な印象で頭の中にインプットされた。
紺野ぶるまさん、今後の大活躍&ブレイクを祈ってます。
楽しみに応援してます。
頑張ってください。
ご存知の通り、ベートーヴェンは、聴覚が不自由となった音楽家です。
ベートーヴェンの代表作の1つ「第9交響曲」公演のエピソードです。
超一流の楽団・合唱団を率いて、この誠に雄大な楽曲を指揮していたのは、ベートーヴェン自身でした。
演奏が終わり、観客たちは拍手絶讚の嵐!
しかし、観客に背を向け、聴覚障害を持っていた指揮者には、全くわかりません。
それを憐れに感じた合唱団員の女性が飛び出てきて、指揮者の肩を叩き、後ろを振り向かせます。
すると観客は、さらに盛大な拍手と絶讚を贈りました。
ベートーヴェンは、この時、初めて公然と号泣したそうです。
今回は、濱田祐太郎さんとは、障害を持つ箇所は異なりますが…。
さらに濱田祐太郎さんとは、点数争いをしていたライバル関係にある紺野ぶるまさん。
本当に素晴らしい人格者です。
遥か遠い昔のドイツの話から、現在の日本まで、いつでも、どこでも、人情は変わらないですね。
広がりがすごいですね。でも、障害という繋がりはありますね。
ベートーベンの場合、音楽家でありながら、聴覚が不自由ってのは、辛いですね。
濱田さんは芸人で、目が不自由で客の様子が見えないから、客の表情はわからない。
聴覚で歓声はわかる。
その点は救いでしょう
ぶるまさんは、普段は下ネタなぞかけや、毒のあるネタの芸人のようですが、そんな人が今回のような優しさや気遣いのある女性であることがわかり、そのギャップが素敵でした。