すっかり市民権を得た居酒屋スタイル「フォーク居酒屋」。
フォーク居酒屋では、たいがいステージ(大小の違いはあるが)があり、なおかつ備え付けギターが置いてあり、店に入ってきたお客さんは、店の備え付けギターを手にして、ステージで弾き語りなどができる。
そんな点が、普通の居酒屋とは違う点であろう。
かといって、来訪した全てのお客さんがギターを弾けるとは限らないわけで、でもそんな人でも歌いたい人は、連れの友人やお店のスタッフ(店長だったりもする)がギター伴奏をして、その演奏に合わせて歌うことになる。
まあ、そうすれば、楽器を弾ける人も弾けない人も、ライブに近い感じでその場を楽しめるわけだ。
フォーク居酒屋にも色んな傾向があり、プロやセミプロ、元プロがライブをやる場合もある。そんな時は、居酒屋というより、ライブハウスに近い雰囲気になる。
そういう「正式のライブ」がよく入っている店もあれば、たまにしか入らない店もある。
たまたま店に入ってきた客が、「自分が弾き語りがやりたいから来た人」の場合、その日店で「誰かの正式なライブ」が入っていると、歌えない。
なので、自分自身が弾き語りを人前でやりたい人は、自分がその店に行く時、その日店でライブが入っているかどうかを確かめて行くことになる。
で、その日のその店にはライブは入っていないことを確かめ、いざ店へ。
ライブが入っていないと、店はすいている場合もある。
そんな時は、ステージが空いていたりする。
そうなると、ステージに上がりやすい。
で、ステージに上がって、どんな歌を歌うか。
こんな時、これまで私がフォーク居酒屋に行った経験上、一種の傾向を感じている。
多くの人は、既成の名曲を弾き語る。
拓郎、かぐや姫、アリス、陽水、長淵、千春、さだ、みゆき・・・他、色々のシンガーの曲を。
だが、私は知っている。そういう場所に来る客の中では、自作曲を持っている人もいるということを。
そして、そういう人は、できれば自作曲を歌いたいと思っている人もいる。
だが、他にもお客さんがいる以上、自作曲よりも、有名曲のほうが受けがいい。
聴いてる客にとっては、既成の有名曲の方が馴染みがあるから。
そのへんのことは、自作曲を歌いたい人も分かっている。
だから、自作曲を歌うのを遠慮して、既成の有名曲を歌ったりする。
だが・・・そんな雰囲気の中で、勇気を持って(?)、自作曲を歌う人も出てくる。
そんな場合、有名な既成曲を一応歌ってから、時には遠慮がちに歌い始める人もいる。
そうなると・・・その後、かねてから「歌うなら自作曲を聴いてほしい」と思ってた「他の客」も、次々とステージにあがって、自作曲を歌い始めたりする。
このへんの流れが、ちょっと面白い(笑)。
最初に自作曲を歌った人は、一種の「きっかけ」を作ったことになるのだ。
自作曲を歌いやすい雰囲気を作った・・・というか。
なんていうか・・・自身で自作曲を作っている人は、オープンマイクで他の人が自作曲を歌っているのを聴くと、刺激を受けるんだよね(笑)。
これが正式なライブなら、「誰それのライブ」という感じで、普通の客として聴いていられる。
だが、来訪客が順番に(?)自由にステージに上がって弾き語れる場で、自作曲を歌いやすい雰囲気になると、自作曲を持ってる人は、つい自作曲を聴いてもらいたくなるものじゃないかなあ。
ちなみに私は、フォーク居酒屋などに行っても、歌わずに帰ることもままあったりする。
「聴く」専門になって、人の自作曲を聴くのもけっこう好きだから。
私は、案外、「既成曲」を聴くよりも、ステージにあがった人がもし自作曲を持ってるなら、その人の自作曲の方が聴きたかったりするから。
既成曲の場合、結局は本家にはかなわないから・・・というのもあるし。
どうしても、本家と比べてしまうから・・・。
その点、自作曲なら、それを歌っている人が「本家」ということになるしね。
とまあ、そんな考えを私は持っているのです。
お店にたいがいギターは備え付けてあり、客はそれを自由に使わせてもらえることが多いので、手ぶらで行って大丈夫でしょう。
普通の居酒屋とは違った楽しみかたができますよ。
お勧めです。