信じる、信じないの問題ではない。
あるんだから仕方ない。←故・丹波哲郎さん風に。
死語の世界~~~。
死後・・ではなく、死語である。
今回は「E電」だ。
・・・?E電? なにそれ?
・・・という反応の若い方も多いだろう、今となっては。
これ、何を隠そう、鉄道の呼び方であった。
国鉄が民営化された時に、「国鉄」に代わる新たな呼び方を一般公募して決まった呼び方だった。
だが、全くと言っていいほど浸透しなかった。ほとんど無視されたに等しい呼び方であった。
今では多くの人が普通に「JR」もしくは「JR東日本」と呼んでいる。
私が「E電」という呼び方を知った時、素直な感想が「なに、それ?」「なんでEなの?」「どこからEが出てくるの?」「なんでこんなのが選ばれるの?」「ふざけてないか?」という印象だった。
「電」はともかく、「E」というのが唐突すぎた。軽薄にも思えたし、なにやらダサくも思えた。なにより、意味不明に思えた。
以前ウィキで調べた時、こんな風に説明されていた。
↓
「1987年(昭和62年)の日本国有鉄道(国鉄)分割民営化に伴い、「国鉄(近郊区間の)電車」の略称である「国電」に代わるものとして、東日本旅客鉄道(JR東日本)が決めた愛称」
更に・・
「当時、「国電」という言葉が広く使われていたが、国鉄民営化により"国鉄電車"でなくなったため、意味上のずれが生じることになった。そこで、「国電」に代わる新たな呼称が分割民営化直後の4月20日から5月5日に一般公募され59,642通(2,513案)の応募があった。応募では1位は「民電」5,311通となり、以下2位「首都電」2,863通、3位「東鉄」2,538通、4位「日電」2,281通、5位「民鉄」1,786通と続いた」
とも説明されていた。
その応募の中で「E電」というのは20位で390通にしか過ぎなかったらしい(ある意味「それでも390通もあったのか・・」という思いもある)。
正直「E電」に比べたら、上位の公称のほうが良いように思えるのだが。
なんでも、当然上位の公称は検討されたらしいのだが、紛らわしいとか、揶揄されそうだとか、言いにくい、固い、すでに他の組織で使われている・・・などの理由で、外されたらしい。
で、消去法で20位の「E電」に決まった・・・ということなのだろうか。
個人的には、なにもよりによって、たった390通しかなかった「E電」じゃなくても良さそうな気もするのだが。
私なら「わかりにくい」とか、「軽すぎる」などの理由で却下するけど・・。
個人的な思いはなんであれ、ともかく「E電」になったのだが、この公称に対する世間の反応は、極めて冷めていた感があった。
当時、今で言うJRの駅の構内で、行き先案内板などに、たまに「E電」の名前は見かけたことはあったが、人々が「E電」という公称を使っているのは、ほとんど聞いたことがなかった。私自身も使った覚えがない。
なんとなく、使うのが少し恥ずかしかったし。どうもピンとこなかった。
そんな世間の反応を反映したのか、駅構内の行き先案内板などに書かれた「E電」という言葉も、気づけばいつしか無くなっていた。
私の中では「E電」は2000円札と並んで、普及しないまま消えていったものの代表クラスに思える。
ちなみに「E電」の「E」というのは、East、Electric、Enjoy、Energyの意味が込められていたらしい。「E電」を「エデン」と呼んだこともあるらしい。
個人的には「エデン」というのは良い響きだと思う。少なくても「イーデン」よりは良いと思う。
ただ「エデン」の「エ」にアクセントを置くのは良いが、「エデン」の「デン」にアクセントを置くと、ださい感じがする。
ただ、鉄道の名称の響きとしては「デン」にアクセントを置いたほうが鉄道という感じはするが、そうなるとどうも・・・・。
「East、Electric、Enjoy、Energy」の「E」というのは、更に苦しいし、かっこ悪い気がする。
結局「JR」という公称に落ち着いたが、落ち着く所に落ち着いた感はある。
「E電」という公称を気に入っていた人、普段その公称を使っていた人って、いったいどれぐらいいたのだろう。
あなたは「国鉄」の新たな公称が「E電」に決まった時、どんな思いをもっただろうか。
「E電」を知らない人は、JRを「E電」と呼べと言われたら、どう思うだろうか?
まあ、ともあれ「E電」という名称を知らない人は、そのまま知らないままでいても大丈夫だと思うので、あまり気にしないで欲しい(?)。
とりあえず「おでん」や「家電」とは混同しないようにして欲しい(笑)。
あと、「江ノ電」の省略語でもないので、念のため、。
ところで。
2020年、山手線に新しい駅「高輪ゲートウエイ」駅が出来たが、この駅名は無事に浸透するだろうか。
まあ、慣れの問題だとは思うが、人々が慣れる前に消えてった「E電」みたいな例もあるからなあ。
気づいたら「JR高輪」、、、なんてことにならないように、今は見守る(?)のみ。
正直、鉄道らしくない呼称だから、自然消滅したのでしょうね。
例えば東京電力、略して「東電」のようなものだと、当時、誰もが思ったから、消えたのでしょう(笑)
ついでに「高輪ゲートウェイ駅」大変言いにくいです…。
なぜシンプルに「高輪駅」、或いは「新高輪駅」にならなかったのでしょうか?
むしろ初耳の人には違和感のほうが大きいとも思えます。
高輪という名前は良くても、そのあとに続くゲートウエイという名称が、どうも山手線の駅名としては、ちょっと、、、。