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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

音楽に漂う狂気

2023年05月29日 | 音楽活動

世紀の名作と呼ばれるアルバムや名曲には、どこか狂気があることがある。

インパクトのある曲であればあるほど。

そのミュージシャンのクリエィティビティの中にある狂気。

そしてそれは完成した音楽、楽曲に現れている。

聴いてて「なんじゃこりゃ、でもスゴイ」「どこからこんな展開が浮かんでくるんだ」と思わせるものがある。

私がこれまで聴いてきた音楽には、そういうのがあった。

世紀の名作アルバムや名曲であればあるほど、その傾向はあった。

それがどんなに内容が充実して、まとまりのあるアルバムであっても、それだけでは世紀の名作にはならないような気もする。

単なる「まとまり」を超えた何かがあったり、常人では思いつかない発想がそこにあり、なおかつそれが一般性もあって、不特定のリスナーの心にも訴えかける作品でないと、広がりはしないだろう。

常人では中々思いつかない発想は、どこかしらに狂気が感じられることがある。

ただ、一定の一般性もないと、評価はコアな一部のリスナー止まりになってしまうだろう。 一定のファンはついても。

 

例えば、中期以後のビートルズの数々のアルバム(リボルバー、サージェントペパーズ、ホワイトアルバムなど)や、フォークロックを生み出したディラン、ペットサウンズを作り上げたブライアン・ウィルソン、ロックギターの可能性を広げたジミヘン、チューブラーベルズのマイク・オールドフィールド、そのほかいくつもの作品がそれらに当てはまると思う。

もちろん、それ以外でも多数ある。

ほんと、それらのアルバムには、私は狂気も感じてしまう。

 

そういう作品を作り上げてる最中って、周りの常識人からは中々理解されにくい場合もある。

そんな環境の中で、作品を完成までもっていくのは大変だろうね。

バンドだった場合、メンバーやスタッフからも理解を得れない場合もあるかもしれないから。

 

そういう作品の場合、すぐに大評判になる場合もあるが、発表当時にはすぐには絶賛されなかったり、ファンにとまどいを与えたりすることもある。

そんな作品で、後に大名作と評価されるようになる作品は、一度評価があがりはじめると、ロングセラーになったり、歴史的な名盤とされていったりする。

それは、その狂気が世間に受け入れられたからだろう。

時代が過ぎてゆくにつれ、前の時代では狂気として感じられた要素が、一般化していったということだろう。

つまり、その作者の狂気は、時代での価値観をねじ伏せたり、変えたりしたことになる。

だからこそ、そういう作者は、特別な存在としてリスペクトされるのだと思う。

 

日々、多数のミュージシャンにより、多数の新曲やアルバムは発表され続けている。

その中で、素晴らしさと共に狂気すら感じられる新譜は、どれくらいの割合であるのだろう。

中にはすぐには良さには気づかれそうにない作品であっても、経年変化と共に不滅の作品になりそうだったり、音楽シーンの常識や流れを変えそうな作品は、どれくらいあるのだろう。

単に「まとまってる」を超えた何かがある作品は。

 

 

 


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