時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

一度入ってみたかった、あの家

2020年05月16日 | 懐かしい系、あれこれ

 

 

子供の頃に住んでた町には、一度入ってみたかった家が何軒かあった。

それらの家には、共通する特徴があった。

まず、家の敷地が広くて、そしてその広い敷地を塀で覆っていた家。

塀の奥の方には家があり、その建物から塀まではおそらく広い庭があったはずの家。

 

ともかく、広い庭を持ち、その広い庭が塀で覆われていて、外からは建物の外観も、庭の風景も見えない家。そういう家は、たいがい家屋の建物も大きかった。

そんな家は何軒かあった。

 

大きな家屋にも入ってみたかった・・というか、あがりこんでみたかったかもしれないが、それ以上に、広い庭に入ってみたかった。

 

だが、塀で覆われていた以上、庭も家屋も見えなかった。

だからこそ、入ってみたかったのだと思う。

塀で覆われた広い庭は、なにやら「秘密基地」「秘密空間」のようにも見えたのかもしれない。一種の「謎エリア」みたいな。

 

 

私が当時住んでた家の最寄りの駅から私の自宅まで行く場合、駅前から続く坂道をまず登っていった。

私が「入ってみたかった家」のうちの1軒は、その坂の途中にあった。

坂道ぞいに建っていたのだ。

ただ、坂道からは地形的に多少高い場所に建っており、その家に入るには階段を何段も登らなければならなかった。

その階段が何段あったか数えたことはなかったが、少なくても10段以上はあったはず。

坂道の途中で、横に10段以上の階段を上ると、その家の門があった。

その門はいつも堅く閉じられていた。

門がいつも閉じられていた上に、家自体が坂より地形的に高い位置にあり、さらにその高い場所にあったその家の敷地は塀で全面的に覆われていたので、その家の様子は皆目見当がつかなかった。

 

坂道の途中で、その家の前にさしかかった時、いつも私は、少し高い位置にあったその家の塀や門を、見上げる感じで見つめていた。時には、その階段の途中に座ることもあった。

 

「この家は一体どんな家なんだろう」とか「あの門や塀の向こうにはどんな庭があるんだろう」などと思いながら。

 

でも、その家には私も親も何のツテもなかった。

その家の家族構成も知らなかった。

せめてその家に子供がいて、その子供が私の通っていた小学校にも通っていたなら、その子と友達になればその家に入っていくこともできたのだろう。

でも、そんな都合のいい状況はなかった。

 

だから結局、その家に入ることはかなわないまま年月が過ぎ、やがて私は引っ越してしまった。

なので、その家のことに関しては、全くの謎のまま。

 

 

他にも、広い敷地に家があり、しかもその広い敷地は塀で覆われていて、中身が見えなかった家はあった。

その中の1軒には、私の通っていた小学校に通っていた女の子の家もあった。

だが、その女の子は私より1学年下だったので、仲良くなった覚えはないし、だいいち普段接する機会もなければ、話す機会もなかった。

近所だったので、その子のフルネームだけは知っていたけど。

その子の家は、平坦な道ぞいにあり、広い敷地を塀で覆われてはいたが、その塀には多少の隙間があり、その隙間から、敷地内の一部分は見えた。

庭があったようだったが、その庭には植物が多数植えられており、植物に隠されて、庭や家屋は見えなかった。

 

どうも、塀で覆われていて、広い敷地内に広い庭がある家が羨ましかったのか、あるいはその庭がどんな庭だったのか見てみたかったのかもしれないし、あわよくばその広い庭で秘密基地みたいなものを作って遊びたかったのかもしれない。

塀で覆われて、俗世間(?)から遮断されていたように思えたから、秘密基地にするにはもってこいに思えたのだろう。まさに、秘密の場所という感じで。

 

なまじ塀で覆われていて中身が見えなかったから、余計興味がわいたし、見たくなったのだと思う。

 

そういう家は他にもあったが、それらを全部記していったら、とんでもない長さの記事になる。

なので、この記事で書くのはこのへんにしておく。

 

あなたには、子供時代に、「結局一度も入れなかったけど、一度入ってみたかった家」「あの家は一体なんだったんだろう」という家はなかっただろうか。

 

なお、写真はこの記事の内容とは関係ありません。ただ、こんな家が近所にあったら、きっと入ってみたくなったに違いないと思ってます。

 

 

 


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4 コメント

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Unknown (だんぞう)
2020-05-17 08:18:18
鮎川さん、廃屋は私も興味あります。
昔も今も。
子供の頃に、大きな廃墟ビルがあり、そこは私にとっては、格好の探検場所でした。
ただ、今考えると、かなり危険な廃墟で、二階の床がいつ崩れてもおかしくなかったです。
穴も空いてましたし。


心霊マニアが廃墟探索をよくやってますが、今の私は廃墟探索は、、
特に心霊スポットの廃墟には入りたくないなあ。


警察関係やヤクザ関係や軍事基地の建物は、リアルに捕まる可能性が高いから、やめといたほうが、、、。
返信する
Unknown (だんぞう)
2020-05-17 08:11:52
キャプテンゼロさん、そう、この記事で取り上げた家は、資産家だったと思います。
都心に、広くて大きな庭つきの家が持てるなんて、資産家じゃないと無理でしょう。

深窓の令嬢の弾くショパン、、、確かに、そういう家には似合いますね。


謎の研究所?
そ、それは子供たちにとっては興味の対象だったでしょうね。
私がその場にいたら、間違いなく私も興味しんしんだったと思います。

ついつい探検したくなったと思います。
敷地内に無断で侵入したりしそう。
まあ、大人がそんなことしたら、犯罪者になってしまいそうですが、子供なら関係者に「こら!」と怒られるくらいだったかも。


ただ、それがもし本物の秘密研究所だったら、やばいことになりそう、、、。

例えば戦争に絡んでいたりした研究所だったら、、子供でも捕まるかも。

返信する
Unknown (鮎川愛)
2020-05-17 03:02:25
私は、幼い頃から豪邸よりも廃屋に惹かれる性格でした。

廃屋・古寺など、誰もいない、静まり返った、苔むした場所がとっても好きなのです。

「無常の世」を体感するには最適です。


さて、それでも「1度入ってみたかった建物」と言えば、一般人が立ち入ることが出来ない場所には、敢えて立ち入ってみたいですね。

大規模な警察署・刑務所・拘置所の隅々まで、

軍事基地も、

そして、ヤクザの事務所など…(笑)

ジャーナリストがドキュメンタリー番組を制作したい心境と同じようなものですよ。
返信する
Unknown (キャプテンゼロ)
2020-05-16 21:39:42
だんぞうさんの見た謎の家って、常識的に考えて相当な資産家の豪邸だったんでしょうね。
子供の頃は、背が低いから家の塀もとても高く、家も大きく見えたと思います。
深窓の令嬢が奏でるショパンのピアノの音色が、聞こえて来るような…。
どんな方が、お住まいだったのか興味深いです。

ボクの場合は、個人のお宅ではないのですが、気になる建物が小学生時代にありました。
小学生の頃の夏休みには、学校の友達と近所の広場で、セミや蝶、バッタ等を
採集して遊んだものですが、そのそばに、〇〇研究所と子供たちの間で呼ばれた
建物がありました。(研究所名は失念)

この建物は戦前に建てられたモノらしく老朽化が進み、昔の漫画に出てくる
秘密研究所のような雰囲気があって、なかなかいい感じの建物でした。
国営のモノか民間企業の施設だったか判りませんが、この中でサイボーグの研究を
してるんだ、等と言う友人もいました。(小学生の話ですw)
半世紀も昔の話ですが、何の研究をしていたのか、今でも少し気になります。
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