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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

荒れ果てた街  by  クリーム

2012年04月22日 | 音楽全般

1960年代後半に活躍した、スーパーグループ、クリーム。

エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカー・・という当時の最強メンバーによって結成されたブルース・ロックのバンドである。

ビートルズがコンサートをやめ、その騒動(?)が一段落した頃に、さっそうと登場したクリームは、私的にはブリティッシュロックとしてはビートルズからレッド・ツェッペリンへの橋渡し的な存在だったようにも思えている。

中学の頃に洋楽にハマった私は、そのきっかけはビートルズだった。で、その勢いで、洋楽ヒットチャートにも熱中した。

聴く曲は、どれもポップで親しみやすい楽曲が多かった。

ビートルズの曲に「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」というジョージの名曲があり、その曲内でのリードギターが素晴らしかったのだが、そのリードはエリックが弾いているという情報を耳にして以来、エリックは私にとってビートルズに匹敵するスターだった。

ギターもうまければ、ルックスもいい。エリックのルックスは映画スター並みに思えた。ともかく、カッコよかった。エリックの写真集を買ってしまったぐらい、憧れた。

そんなエリックの在籍したバンド、クリーム。気にならないはずがなかった。

だが、クリームに私が興味を持った頃には、すでにクリームは解散していた。で、伝説のスーパーバンドと呼ばれていた。

お小遣いをためて買ったクリームのLPは、日本独自の編集によるベストアルバムだった。

そのアルバムは2枚組で、アルバムタイトルは「ヘヴィー・クリーム」といった。

ヒットチャートに登ってくる「当時のヒット曲」や、ビートルズの親しみやすい楽曲に浸っていた私にとって、初めて聴くクリームの曲は、少しとっつきにくくも思えた。

なにせ、親しみやすいポップス・・という感じの楽曲ではない。

なにやら、少し地味にも思えたが、それまで私が聴いていた親しみやすい音楽とは傾向が違う楽曲類だったので、新鮮だった。

親しみやすいという感じではなかったが、渋かった。

何度も聴くうちに、その渋さや良さがどんどん私の中でアップしていった。

まるで、噛めば噛むほど味の出るスルメのような楽曲類に思えた。

聴けば聴くほど好きになり、しまいには毎日クリームばかり聴いてた時期もあった。

ともかく、曲が、かっこよかった!

 

クリームの活動期間は非常に短かったが、その短い活動期間に残された、そのアルバムに入っていた曲はどれも好きになった。

クリームの曲の中で有名な曲というと、まずは何といっても「サンシャインラブ」だろう。この曲のリフは、クリームを知らない人でも知っているぐらいキャッチーで有名。今やロックの古典でもあり、スタンダードでもある。

その他、「ホワイトルーム」、「クロス・ロード」、「ストレンジ・ブルー」、「バッジ(←これは今でもエリックの重要レパートリーで、エリックとジョージ・ハリスンの共作である)」、「政治家」、「アイム・ソー・グラッド」、「アイ・フィール・フリー」・・その他、名曲は目白押し。私にとって大好きな曲ばかり。

で、ここで取り上げたいのは、「荒れ果てた街」という曲である。

「サンシャインラブ」や「クロスロード」や「ホワイトルーム」「バッジ」ほどには有名ではないが、個人的にしびれまくった曲だった。

そのコード進行、つなぎ部分でのスケール感ある展開、そして最高のギターソロ!

「荒れ果てた街」にはいくつかのテイクが残されているようだが、私が持ってた「荒れ果てた街」は、・・スタジオ録音のバージョンだと思う。

途中のギターソロは、まるでビュンビュンとギターが唸っているような感じ。

その「唸っている感じ」が最高にカッコよかった。フレーズも音色も、スピード感も。

 

また、ボーカルの出だしの部分のコード進行も斬新に思えた。ヒットチャートのポップスでは、あまり耳にしないような流れだった。

それと、間奏でストリングスがかぶるあたりの構成のスリリングさには、心底影響を受けた。

まるで映画音楽のようにも思えた。ブルースロックに、こういう要素が盛り込まれていた点が、私がしびれた理由かもしれない。

ボーカルのメロディラインの渋さもまた、私が大きな影響を受けた部分だ。

私がロックっぽい渋い曲を作りたいと思う時、いつも心のどこかにクリームの楽曲のメロディがあるような気がしている。

以前ロックバンドを組んでた時に、クリームに影響を受けたメロディラインの曲を作った覚えがある。

それほど、クリームというのは、私の心の奥底に「ベーシックのひとつ」として存在していると思う。

 

クリームは最強メンバーであったが、そのためにメンバー同士の我も強く、ぶつかりあったから短命に終わった・・と言われている。

クリームは、ロックバンドとして最小人数・・・・・ギター、ベース、ドラムのたった3人編成でサウンドを完成させた・・という意味でも、意義は大きい。

その演奏は、3人共戦い合ってるような部分もあり、まるでリードギターとリードベースとリードドラムがからみあってるようでもあった。そう、ギターもベースもドラムも、それぞれがリードを取り合ってる感じ。

なので、「我」がぶつかって解散したというのは、わかるような気もする。

 

解散から長い年月が過ぎ去って。

 

数年前に、解散して何十年もたち、まさかの再結成が実現し、そのライブはDVDになった。もちろん、私は購入。

クラプトンのギターのフレーズや音色は、60年代当時のクリーム時代とは少し変化はあった。

だが、何よりも、クリームの楽曲が、エリック・ジンジャー・ジャックの3人で再現されるのが奇跡のようにも思えた。

それほど、私にとっては「まさかの再結成」であったから。

 

私は、もしクリームが大好きにならなかったら、その後、レッド・ツェッペリンやオールマンブラザーズに夢中になることもなかったかもしれない。

 

できれば・・・来日公演もやってほしかった。

クリームを生で見れた人たちが、なにやら羨ましい。

 

 

 http://www.youtube.com/watch?v=4G_vXlXyjgo&feature=fvst

 

 

 


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