「おぼっちゃまくん」という漫画に、とんでもないキャラがいた。
主人公の茶魔が道などに困った時には、どんなところであれ偶然通りがかり、茶魔の質問に答えてくれるという、ありがたいキャラである。その名もズバリ「通掛 聞造(とおりがかりきくぞう」だ。
その「どんなところであれ」「どんな状況であれ」偶然通りがかる・・ってのが、妙におかしくって。
思うに、漫画やアニメには、主人公に都合のいい「偶然」や、ストーリー運びに都合のいい「偶然」がやたらと起きる。
例えば、道ばたで偶然助けた人がたまたまどこかの会社の社長で、そのお礼で便宜を計ってもらい自分の仕事が劇的にうまくいく・・とか、昔つきあってた人にあまりにもドンピシャのようなタイミングで偶然出くわすとか。
こんな偶然、現実にはそうそうあるもんじゃないよ・・・と苦笑しながら読んでたりするし、時にはその「あまりの都合の良さ」にシラけてしまうこともある。
で、主人公がその偶然のおかげで出世したり、ありえない偶然で恋が進んだり壊れたり・・で話が進んだり。
そういう意味じゃ、この「通掛 聞造」は、その「都合の良い偶然」の象徴みたいなものなのだが、普通のキャラと違う点は、そういう「都合の良い偶然」をパロディにしてる点だった。
どんな所であれ、主人公が困ってる時にはこの人が偶然そこを通りがかって助言する・・って点がネ。
これはもはや「偶然」ではない(笑)。どう考えても、影に隠れて主人公の後を追って影ながらお守り(?)してるとしか思えないのだが、現れる時はいつも偶然を装い通りがかる・・ってのが可笑しくて。
ならばいっそ、茶魔の側近としていつも「お供」してたほうが早いのに(笑)。
どこにでも、どんな時にも現れ、しかも何でも知っている、とんでもないお助けマン。
私はこの人は、スーパーマンだと思っている(笑)。
こんなキャラがいたら、どんな所にだって安心して出かけられるのだ。
旅先や仕事などで道に迷った時や、初めて行く店が中々見つからない時、こんな人がいればなあ。
山で遭難した時とか、海の上を漂っている時などでも、この人ならきっと通りがかって、方向や現在地を教えてくれるだろう。
まあ、その前に遭難もしたくないし、海の上を漂流したりはしたくないけど。
崖から落ちて落下してる最中には、ヘリコプターで通りがかってくれることだろう。
もし自分が死んでしまっても、彼なら霊道を通りがかって、行き先への道を教えてくれそうだ。
それこそ、タイムマシンで別の時代に行って道に迷っても、きっと彼は通りがかってくれるのではないか。
どんな場所でも通りがかってくれるなんて、やはりスーパーマンとしか思えない。
ところで、人生で道に迷った時は、この人はどこを通りがかってくれるのだろう(笑)。
・・え? 心の中を通りがかる?
時間の外に、ようこそ。
通掛聞造、ヤバすぎますよね(笑)。
ほとんど、スーパーマンですよ。
茶魔の行くところ、聞造にとってはあらゆる障害もシチュエーションも関係ありません!
きっと時空も飛び越えるのでは(笑)。
最強の通行人です。